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阪神のきゃしゃな背番号『63』新庄との出会い…3三振だが“素晴らしい空振り”【大慈彌功コラム特別版】

2020年12月4日 06時00分

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2000年の横浜戦で空振りをする阪神・新庄

2000年の横浜戦で空振りをする阪神・新庄

【新庄剛志48歳の挑戦1】
 新庄剛志さん(48)が7日の12球団合同トライアウトに参加する。野球界の常識を破ってきた新庄さん。中でも大リーグ挑戦は日米のファンを驚かせ、沸かせた。ニューヨーク・メッツのスカウトとして入団に携わった大慈彌功さんが、舞台裏をコラム「論」特別編で書く。
   ◇   ◇
 私が初めて新庄を見たのは1990年、彼のルーキーイヤーだった。場所は当時のダイエー(現ソフトバンク)2軍本拠地の雁ノ巣球場。私は当時、ダイエーでジム・ウィルソン内野手の通訳をしており、2軍戦に同行していた。
 思い出すのは、阪神のきゃしゃな背番号63のプレー。打撃練習では高校出にしては飛距離もあり、守備では遊撃手として練習をしていて肩も強く、運動能力の高い選手だった。
 メジャーのスカウトがよく口にするフレーズとして「あの選手は運動能力が高いか?」との問い掛けがある。福岡・西日本短大付高からプロに入って間もない新庄は、まさに「イエス」であった。
 時がたち2000年、彼がFA資格の取得条件を満たすシーズン。私はメッツのスカウトに転身しており、当時メッツのオマー・ミナヤGM補佐を日本に迎えていた。来日の主目的は、メジャー志望が伝えられていたオリックス・イチローの視察だった。イチローは同年オフにポスティングシステム(入札制度)での米移籍第1号となる。
 イチローを主眼としながら、私はミナヤGM補佐を甲子園球場へ連れていった。阪神の新庄を見てもらうためだった。彼にとって打撃開眼のシーズンだったが、その試合では3三振を喫した。ミナヤGM補佐も運動能力の高い選手とは認めた。だが、その後については全て私に任された。
 打者を視察するとき、私が一番見ておきたいのは空振りをする姿だ。空振りすることにより、ヘッドスピード、スイング軌道、タイミングの取り方などスイングの良い、悪いが分かるのである。3三振という結果はいただけなかったが、この日の新庄は、私からすれば素晴らしい空振りをしていた。(元メッツ・スカウト)

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