老舗330年、波こえて 名古屋の「材惣木材」江戸~大正の記録
2020年12月3日 16時00分 (12月3日 16時00分更新)
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江戸時代の1690(元禄3)年に創業した名古屋市の老舗企業「材惣(ざいそう)DMBホールディングス・材惣木材」で、草創期からの帳簿や明治から大正時代に活躍した社長の日記など約3400点の資料が見つかり、同社が「材惣330年史」としてまとめた。明治維新の激動期や近代化で名古屋の都市が形成される歴史に同社が深く関わった様子が記録されており、専門家は「戦災に遭わずに残った貴重な資料。名古屋の近代史を考える上で非常に重要だ」と話す。 (中崎裕)
材惣木材は、江戸時代に知多から名古屋に進出した材木屋惣兵衛にルーツを持つ。五代惣兵衛の時代に、東本願寺名古屋別院(東別院)の再建材の調達を一手に担ったことで名字帯刀を許され、尾張藩御用達の商人となった。
新たな資料は、名古屋商業会議所(現・名古屋商工会議所)の会頭や貴族院議員を務めた八代目鈴木摠(そう)兵衛(一八五六〜一九二五年)の日記や、元禄年間から大正時代に至るまでの取引を記録した帳簿など。二〇一一年に本社を創業地周辺で保有していた中区錦一のビルに移転した後、同ビルの金庫や社長宅に保管されているのが見つかった。
分析した日本福祉大の曲田浩和教授(...
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