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中日選手も訪れる野球アカデミー プロも注目した元独立リーグ右腕・松本さん アメリカ仕込みの専門指導

2020年12月3日 06時00分

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中日の笠原(左)とBe an Eliteの松本憲明さん(松本さん提供)

中日の笠原(左)とBe an Eliteの松本憲明さん(松本さん提供)

  • 中日の笠原(左)とBe an Eliteの松本憲明さん(松本さん提供)
  • 子どもたちを指導する松本さん
 名古屋市守山区に「Be an Elite」という野球アカデミーがある。今年2月に開校したのは、四国アイランドリーグ(IL)・徳島でプレーした松本憲明氏(25)。投球の回転数やボール軸などを計測でき、中日ドラゴンズも導入しているラプソードを備え、米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」のトレーニングも可能。中日ドラゴンズの選手も足を運ぶなど、将来のメジャーリーガー輩出を目指している。
  ◇     ◇
 中日の木下雄や笠原、清水、三ツ間らが動作解析やトレーニングでひっそり訪れる場所がある。一見すると小さな工場。ただ、中には最新鋭のトレーニング器具も置かれ、マウンドも設置。そこで小・中学生らが球速アップに取り組んでいる。
 2月にこの「Be an Elite」を立ち上げ、指導しているのが松本氏。かつて独立リーグでプレーし、プロにも注目された右腕だ。夢かなわず、最後は米国にも渡った。メジャーのトライアウトも受けたが、契約には至らなかった。それでも、米国のアカデミーなどで学んだ理論やトレーニング法を第二の人生に生かしている。
 「米国は個人個人に合ったオーダーメードトレーニングなんです。ここでは自身の感覚、測定した数値、撮影した動画の3つを合わせて個人個人、指導しています」
 スピードガンはもちろん、中日が今季から導入したラプソードも備える。旋風を巻き起こしているドライブラインのトレーニングも可能。元工場という外観からは想像できない施設だ。

 ここに至るまでの道のりは険しかった。東洋大時代に右肘のトミー・ジョン手術を受け、大学を中退した。プロの夢を諦めきれず、四国ILの徳島に加入。月給11万円で生活した。それでも厳しい。「川に入って測量のアルバイトをしていました。オフシーズンの真冬で本当に死にそうでした」。単身渡った米国へはグラブ、バット、貴重品のみ持参した。
 野球少年たちに、米国で得た知識や理論などを伝えたい。帰国後はアカデミーを作ろうと動いたが、元プロ野球選手でもない松本氏は、銀行から軒並み融資を断られた。それでも本などで経営方法などを学ぶと、日本政策金融公庫にプレゼンをし、750万円の融資を得ることができた。その資金を元手に芝やネット、トレーニング器具などをそろえた。
 「右投手だと93マイル(149・66キロ)とか、米国ではスピードがボーダーラインなんです。プロに入るためにスピードを出す。まずは速い球を投げられるようにしてあげたい」
 あえて投球部門専門の指導に。そして、球速に強くこだわった。日本でも150キロはもはや驚きでなくなった。「160キロを出して、将来はメジャーリーガーが出たらうれしいです」。松本氏の夢は大きい。
 ▼松本憲明(まつもと・けんめい)1995(平成7)年5月27日生まれ、岐阜県土岐市出身の25歳。183センチ、80キロ。右投げ左打ち。愛知・愛工大名電高から東洋大へ進むが1年時に右肘の内側側副靱帯(じんたい)を断裂し、トミー・ジョン手術を受ける。大学野球継続が難しくなり2年時に中退。独立リーグの四国IL・徳島に加入し、その後、メジャー挑戦のため米国に渡る。今年2月に名古屋市守山区に野球アカデミー「Be an Elite」を開校。

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