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勢いを増すMLB機構のマイナー改革 地域から野球が消える…救済には道半ば【AKI猪瀬コラム】

2020年12月2日 06時00分

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改革の波が押し寄せる米地域野球(AP)

改革の波が押し寄せる米地域野球(AP)

 大リーグ(MLB)機構は、マイナーリーグ機構との協定契約満了に伴い、マイナーリーグの大幅な改革を進めています。その主たる改革が、全米各地に160あるマイナー球団を120に削減することです。削減対象になった球団や地元自治体は異議を唱え、裁判になっているケースも数多くありますが、MLB機構のマイナー改革の勢いは増すばかりです。
 その改革の目玉として先日、MLB機構が発表したのが2021年5月下旬に開幕予定の「MLBドラフト・リーグ」設立です。ドラフト会議は例年6月に行われていましたが、来年以降は7月の第2火曜日に開催されるオールスターゲーム(球宴)を中心とした「球宴ウィーク」期間中に行います。そのドラフトで上位指名が予想される有望株を一堂に集めて行われるが「MLBドラフト・リーグ」です。
 開催地は球団消滅が決定的なオハイオなど4州のマイナー球団本拠地。現時点では5球団の参加が決まっていますが、来季開幕までに1球団が加わり、計6チームで68試合を行います。
 リーグ全体の選手枠は1球団30人で計180人。シーズンは5月下旬~8月中旬予定なので、6月開催の全米大学野球の王者を決める「カレッジ・ワールドシリーズ」に出場する有力大学の選手が開幕時に参加することはできません。
 また、「球宴ウィーク」までが前期、その後が後期となりますが、ドラフト指名を受けた選手がドラフト・リーグに残るのか、それとも指名された球団傘下の球団に合流するのかなど、細部は不明です。マイナー球団に即合流となれば、選手の大量流出で各チームとも編成が難しくなります。ドラフト・リーグ開催中に選手生命が危ぶまれるようなけがをした場合の責任の所在は―など課題も山積です。
 消滅する40球団中、今回の新リーグ誕生で6球団の本拠地だった自治体は一応救済されます。マイナー最下層のパイオニア・リーグも独立リーグ化で存続となったので、そこに参戦している8球団も救済されますが、なお26球団が消滅の憂き目に遭う計算になります。
 「国民的娯楽」と称されるMLB。消滅危機にある全球団の救済は無理だとしても、MLB機構には、せめて半分以上の球団とその本拠地がある自治体を救う方策を考え出してほしいものです。(大リーグ・アナリスト)

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