みんなの声「働くって?」

2020年11月27日 05時00分 (12月2日 12時23分更新)
 警察官(けいさつかん)、美容師(びようし)、手話指導者(しゅわしどうしゃ)、銀行員(ぎんこういん)、スポーツ選手(せんしゅ)、医師(いし)…。「働(はたら)く」をテーマにした六日掲載(むいかけいさい)の記事(きじ)を読(よ)んだ子(こ)どもたちから、思(おも)い思(おも)いの夢(ゆめ)が書(か)かれた作文(さくぶん)が届(とど)きました。「生(い)きていくお金(かね)をもらうため」「社会(しゃかい)の発展(はってん)を続(つづ)けていくために必要(ひつよう)」など、働(はたら)く意味(いみ)や目的(もくてき)に対(たい)するさまざまな意見(いけん)も。「人(ひと)の役(やく)に立(た)つ」「生(い)きがいを見(み)つけたい」といった将来(しょうらい)への熱(あつ)い思(おも)いもあふれていました。
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「人の役に立つ」共感/AI任せには否定的

 愛知県豊田市(あいちけんとよたし)の挙母小学校(ころもしょうがっこう)の五年生(ねんせい)はNIE(エヌアイイー)(教育(きょういく)に新聞(しんぶん)を)活動(かつどう)の一環(いっかん)で意見文(いけんぶん)に取(と)り組(く)み、十五人(にん)が送(おく)ってくれた。熊本紗千(くまもとさち)さん(10)は共働(ともばたら)きの両親(りょうしん)の姿(すがた)を見(み)て「働(はたら)きたい」と思(おも)ったという。二人(ふたり)とも朝早(あさはや)くから夜遅(よるおそ)くまで働(はたら)いていたり、難(むずか)しい仕事(しごと)を任(まか)されたりして大変(たいへん)そうだが、仕事(しごと)の話(はなし)をする時(とき)は笑顔(えがお)だからだ。「私(わたし)も仕事(しごと)を楽(たの)しみたい」と望(のぞ)む。
 六日(むいか)の記事(きじ)で紹介(しょうかい)したジャーナリストの池上彰(いけがみあきら)さんの「誰(だれ)かの役(やく)に立(た)って喜(よろこ)ばれる。それが仕事(しごと)ではないか」との言葉(ことば)に共感(きょうかん)した児童(じどう)も多(おお)かった。三宅史織(みやけしおり)さん(10)は職業体験(しょくぎょうたいけん)をした時(とき)、上手(じょうず)にできて褒(ほ)められてうれしかった経験(けいけん)も振(ふ)り返(かえ)り、「働(はたら)くのは生活(せいかつ)するためだけではない」との思(おも)いを強(つよ)くした。
 人工知能(じんこうちのう)(AI(エーアイ))に人(ひと)の仕事(しごと)を任(まか)せることには、否定的(ひていてき)な意見(いけん)が目立(めだ)った。高際里奈(たかきわりな)さん(11)は、人(ひと)がやることが少(すく)なくなり、やりがいを感(かん)じられなくなることを問題視(もんだいし)。山本紗輝(やまもとさき)さん(11)は、仕事(しごと)がなくなって貧(まず)しくなる人(ひと)も出(で)ることを心配(しんぱい)し、「人(ひと)と人(ひと)とのぬくもりなど、人(ひと)がやってほしい仕事(しごと)もある」と訴(うった)えた。
 一方(いっぽう)で、同県半田市(どうけんはんだし)の横川小学校(よこがわしょうがっこう)五年(ねん)の川口咲良(かわぐちさくら)さん(10)は記事(きじ)を読(よ)み「AI(エーアイ)と人間(にんげん)が共同(きょうどう)できるような仕事(しごと)をしたい」と胸(むね)を膨(ふく)らませた。将来(しょうらい)の夢(ゆめ)はパティシエ。人(ひと)が愛情(あいじょう)と気持(きも)ちを込(こ)めてスイーツを作(つく)り、AI(エーアイ)が袋(ふくろ)を包(つつ)むなど仕事(しごと)を補助(ほじょ)すればいいのでは、と考(かんが)えている。保育士(ほいくし)を志望(しぼう)している岐阜県瑞浪市(ぎふけんみずなみし)の陶小学校(すえしょうがっこう)六年(ねん)の女子児童(じょしじどう)(12)は「AI(エーアイ)やロボットに負(ま)けないような保育士(ほいくし)になれるよう、自分(じぶん)なりに頑張(がんば)りたい」と意気込(いきご)んだ。
 学習(がくしゅう)への決意(けつい)を新(あら)たにした児童(じどう)も。横川小(よこがわしょう)五年(ねん)の杉浦健留君(すぎうらたけるくん)(10)は「お金(かね)のためだけにやりたくない仕事(しごと)をするのはつらく、きっと長続(ながつづ)きしない。一番大事(いちばんだいじ)なことは、その仕事(しごと)が自分(じぶん)にとってやりがいがあるかどうかだ」と主張(しゅちょう)。「さまざまな知識(ちしき)を結(むす)びつけて運用(うんよう)していく力(ちから)を身(み)に付(つ)けるために、何事(なにごと)も一生懸命努力(いっしょうけんめいどりょく)したい」とつづった。
 愛知県江南市(あいちけんこうなんし)の小学(しょうがく)六年(ねん)の女子児童(じょしじどう)(11)の就(つ)きたい職業(しょくぎょう)は樹木医(じゅもくい)。庭師(にわし)をしている祖父(そふ)の仕事(しごと)ぶりを見(み)て、自然(しぜん)に関(かん)する仕事(しごと)がしたいと思(おも)ったそうだ。学校(がっこう)で学(まな)んだSDGs(エスディージーズ)(国連(こくれん)が提唱(ていしょう)する持続可能(じぞくかのう)な開発目標(かいはつもくひょう))のうち「陸(りく)の豊(ゆた)かさも守(まも)ろう」の呼(よ)び掛(か)けにも背中(せなか)を押(お)された。「樹木医(じゅもくい)になって、木(き)を元気(げんき)にし、自然(しぜん)を豊(ゆた)かにしたい」と思(おも)いを巡(めぐ)らせる。
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意義ある 夢への努力

 大手進学塾(おおてしんがくじゅく)「栄光(えいこう)ゼミナール」(東京(とうきょう))が9月(がつ)、小中高生(しょうちゅうこうせい)の保護者(ほごしゃ)939人(にん)に聞(き)いた調査(ちょうさ)では、将来就(しょうらいつ)きたい職業(しょくぎょう)がある中高生(ちゅうこうせい)の77.2%が「就(つ)きたい職業(しょくぎょう)のために努力(どりょく)していることがある」と答(こた)えました。小学生(しょうがくせい)でも7割(わり)を超(こ)えています。将来(しょうらい)の夢(ゆめ)を持(も)つことは、努力(どりょく)につながります。夢(ゆめ)への努力(どりょく)は何(なに)かしら意義(いぎ)があります。人生(じんせい)の先輩(せんぱい)として、皆(みな)さんにそう伝(つた)えたいです。
(佐橋大(さはしひろし))
(11月27日付 中日新聞朝刊生活経済面より)

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