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第448回 「やまとごころ」代表取締役 村山 慶輔さん 「withコロナ時代の観光戦略〜これからの時代を生き抜く観光業に必要なこととは?」

2020年12月1日 11時15分 (12月1日 11時15分更新)
 第四百四十八回中日懇話会が十一月三十日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松であった。インバウンド関連事業を手掛ける会社「やまとごころ」(東京)の村山慶輔代表取締役(44)が「withコロナ時代の観光戦略〜これからの時代を生き抜く観光業に必要なこととは?」と題して講演した。  
 新型コロナウイルスの感染拡大により、日本のインバウンド市場はほぼ消滅している。国連世界観光機関(UNWTO)などの予測では、国際観光がもとの水準に戻るのは二〇二四年ごろ。正確なところは誰にもわからない。観光需要は以前のレベルには戻らないという前提に立ち、それでも回るビジネスの形をつくっていくべきだ。
 キーワードに挙がるのが「高付加価値化」や「オンライン体験」。京都・二条城のオンラインツアーは好例の一つだ。著名ガイドを案内人に、ビデオ会議アプリによるライブ配信で城内を見学する形式で、直接訪れても入れない部分まで見られる特別感が人気を呼んだ。五月の初回に七百人、七月にも九百人分が完売。リアルツアーより高い収益性も実現した。
 コロナ禍で試行錯誤して挑戦したことが、結果的にコロナ後にも継続できる事業を生んだわかりやすい例と言える。大切なポイントは、テクノロジーを通して持続的な新しい価値をつくるということ。旅行者は当たり前のようにネットで情報収集し、通信技術も新しいものが出てきている。これを利用しない手はない。リアルとバーチャルを二者択一にする必要はない。
 地域資源を生かしたサービスや商品をつくっていくことなど、インバウンドの回復を見越した準備も重要だ。浜松であれば浜名湖は貴重な資源で、近くでマリンスポーツもできる。音楽や楽器も強みだ。教育に関心の高い中国人向けの音楽教室もいい。地域資源をもう一度深掘りして、何が誰にうけるのか細かくみていくことが大切になる。
 これまで観光において議論されてきた「あるべき姿」に進む速度が一気に加速している。先送りできない、待ったなしの状況だ。

 むらやま・けいすけ 1976年生まれ、神戸市出身。米ウィスコンシン大マディソン校卒。総合コンサルティング会社アクセンチュアに入社し、国や行政のシステム開発、IT企業のマーケティングに従事。2006年に独立し、やまとごころを設立。事業者や自治体向けにインバウンド情報を提供するポータルサイトを運営する。政府の観光戦略実行推進会議有識者メンバー。


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