【富山】黒部峡谷鉄道 乗客最少 コロナ禍 今年の営業終了
2020年12月1日 05時00分 (12月1日 10時01分更新)
黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)は三十日、今季の営業運転を終了した。新型コロナウイルスの影響で乗降客数は二十五万四千人余と、これまで最低だった開業年(一九七一年)の五十八万一千人を大きく下回った。
同鉄道によると、乗降客数は九四年に百三十七万人のピークを迎えて以降は減少傾向が続き、二〇一九年は六十五万七千人まで落ち込んでいた。
今季はコロナの影響で、例年より約四十日遅い六月一日に営業運転を開始。乗降客数は同月が前年同期比84%減、七月が同75%減、八月が同66%減、九月が同49%減だった。GoToトラベル事業が始まった十月は同28%減、十一月は同19%減と前年並みには届かないまでも、少しずつ盛り返しを見せていた。
宇奈月駅であったセレモニーでは、最終旅客列車の午後二時五十六分発欅平行きの乗務員、木下涼介運転士、沓掛浩一車掌に宇奈月温泉女将(おかみ)の会「かたかご会」のメンバーが花束を贈った。最終列車の乗客を同会メンバーや同鉄道の公認キャラクター「くろべえ」「でんちゃー」が手を振って見送った。
鈴木俊茂社長は「コロナ拡大の影響が続くこれまでにない大変な時代に、感染防止対策を取り、無事故運行を続けてくれた社員、協力会社、地域に感謝したい」と語った。 (松本芳孝)
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