障害や困難を分かち合おう 浜松の野島さんが農場開放

2020年12月1日 05時00分 (12月1日 09時54分更新)
「めぐみ農場」で収穫期を迎える芽キャベツを手にする野島恭一さん=浜松市西区で

「めぐみ農場」で収穫期を迎える芽キャベツを手にする野島恭一さん=浜松市西区で

  • 「めぐみ農場」で収穫期を迎える芽キャベツを手にする野島恭一さん=浜松市西区で
  • 農作物を手にする野島さんの妹・めぐみさん=同市内で
 浜松市西区伊左地町の元教員野島恭一さん(63)は、自宅前の畑を交流型農場として開放している。「障害や困難を、太陽の下で分かち合える場にしたい」。農場を開いた原点には、ダウン症の妹と、彼女を支えてきた母への思いがある。 (久下聡美)
 妹めぐみさん(60)は、重度の知的障害のあるダウン症を持って生まれた。地元の公立小学校に三年遅れで通ったが進学はせず、その後は長い間、母やすゑさん(86)と二人、自宅で過ごしてきた。「何をするにもいつも一緒。お互いに気持ちのやり場がなくなることもあったのでは」
 市内の中学校で教師をしていた野島さんは、母と妹を思い、いつしか「孤立しがちな在宅障害者やその家族、施設で暮らす人たちが交流できる農場をつくりたい」と思うようになった。
 自宅前の広さ十四アールの畑。野島さんは二年前、定年退職を機にここで農業を始めた。新規就農者を対象にした養成講座を受け、春にはブロッコリーやタマネギ、夏はキュウリやトウモロコシ、秋はサツマイモ、冬には芽キャベツやダイコンを栽培・収穫する。一部は県外にも出荷している。
 畑には、妹の名前を付け「めぐみ農場」とした。植え付けや収穫が年間を通して有料でできるほか、一辺約十メートルのひと畝を借り上げることも可能だ。障害者施設など二団体が畑を借りているほか、野島さんの元同僚らも農作業に汗を流す。
 「障害のある人に限らず、介護する立場の人、ちょっと休みたい人、考えながら生きていきたい人、生きづらさを抱えている人に来てほしい。四季を通して育つ新鮮な自然の恵みを楽しみながら、つらいことでも悲しいことでも、今の思いを話したり一緒に考えたりする時間にしてほしい」
 十二月は芽キャベツの収穫が始まる。野島さんは「台風が少なかった今年は大豊作。多くの方に立ち寄っていただきたい」と笑顔を見せた。(問)野島さん=053(485)8453

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