【石川】子ども食堂 遠い本格再開 「会食」復活 半数が予定なく

2020年11月30日 05時00分 (11月30日 10時03分更新)
大桑団地集会所の軒先で子どもたちに弁当を配るおおくわこども食堂のスタッフら=金沢市大桑町で

大桑団地集会所の軒先で子どもたちに弁当を配るおおくわこども食堂のスタッフら=金沢市大桑町で

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コロナ長期化「配布」で代替 続く

 新型コロナウイルスの感染拡大の長期化により、地域の子どもに無料または安く食事を提供する「子ども食堂」が苦悩を強いられている。「三密」を避けるため延期したり、弁当や食材の配布、販売に形を変えたりして、多くが本来の形に戻れずにいる。(榊原大騎、写真も)
 金沢市大桑町の石川県営大桑団地集会所に十六日夕、親子連れらが徐々にやって来た。第三月曜日に開かれる「おおくわこども食堂」。感染拡大後の五月、会食形式からスタッフが作る弁当の販売、米や野菜の配布に改めた。「月に一度でも夕飯を作らなくていいのは本当にありがたい」。仕事帰りに長女と訪れた四十代女性はそうつぶやき、帰路に就いた。
 この食堂は昨年一月、団地で育った土井裕平さん(27)が世代を超えたコミュニティーづくりを目指して開設。一回当たり計五十人ほどに食事を出してきたが、今年三、四月は中止に追い込まれた。
 「子ども食堂は人と人とが関わって成り立つが、それができない。ボランティアの方にもこちらから声を掛けづらい」。土井さんはもどかしさをにじませる。十人余りいたボランティアもこの日は三人。会場は町会から借りており、開催方法も町会の意向を優先する。「特別定額給付金十万円を寄付してくれるなど地元支援が増えた面もあるが、やるたびに課題が見つかる。手探りでやるしかない」
 NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京都)の九月の調査では、全国の子ども食堂のうち「十月から再開予定」を含めて三割が会食形式で実施する一方、48%が再開に「まだ予定は立っていない」と回答。石川県内の子ども食堂をつなぐNPO法人「ささえる絆ネットワーク北陸」(金沢市)は、六十カ所ほどある県内でも同様の傾向にあるとみる。富山県子どもほっとサロンネットワークによると、県内に二十二カ所のうち食堂形式での実施は九月時点で二カ所にとどまっている。
 絆ネットワーク北陸が運営する子ども食堂「かなざわっ子nikoniko俱楽部」では会食を四世帯に限定し、予約制で弁当を販売する。理事の喜成(きなり)清恵さん(49)は「弁当配布だけでは食べている時の子どもの様子が見られない。やり方を模索したい。コロナ禍が長引くと生活に困る人が出てこないか心配。子ども食堂が防波堤になれば」と話している。

◇地域交流の側面 弱く
「支援団体理事に聞く」 協力の輪は広がる

 コロナ禍の子ども食堂の現状や今後の展望を全国こども食堂支援センター・むすびえ」理事の釜池雄高さんに聞いた。
 −子ども食堂の現状をどうみるか。
 「冬に感染が拡大すれば開催はより難しくなる。十二月の再開を予定していたが、延期する例が増える可能性はある。活動の中心は弁当と食材の配布に移っている」
 「ボランティアと会場の問題もある。高齢の方に参加を遠慮してもらう例や、感染が怖くて手伝えない人もいる。公共施設が使えない例もある。子ども食堂は子どもの貧困対策と地域交流の両輪だが、後者の側面が少し弱くなっている」
 −コロナ禍のプラス面は。
 「支援してくれる人や企業が増えた。コロナ以前は、むすびえから子ども食堂への助成は全くできていなかったが、コロナ以後は寄付が集まり、一億円余りを助成できた。食材に関しても約五倍を寄付できている。現場で形を変えて子ども食堂を続けてくれたのが大きい。ただ、それ以上に支援をしたい人が増えたという子ども食堂が増加した」
 「より厳しい家庭とつながったという声も多く聞く。フードパントリー(食料品の配布)の効果と思う」

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