中日春秋

2020年11月30日 05時00分 (11月30日 05時01分更新)
 「KAREN」(カレン)という女性の名前を聞いて、悪いイメージを抱く日本人はあまりいないだろう
▼世代によっては兄妹デュオのカーペンターズのカレン・カーペンターの美しい歌声を思い出すかもしれぬ。あるいは大滝詠一さんの「恋するカレン」を口ずさむか。日本語の「可憐(かれん)」という言葉を連想する人もいるだろう
▼「カレン」の名前も二〇二〇年の英単語の一つに選ばれたそうだ。毎年、その年を象徴する単語を選ぶ英国オックスフォード辞典の「今年の言葉」である
▼一つの言葉が選ばれるのが通例だが、今年はコロナ関連などの新語も豊富で、複数が選ばれた。「パンデミック」「ロックダウン」「BLM」(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大切)とともに選ばれた、「カレン」とはいったい誰のことだろうか
▼特定の人物ではなく、自分本位で人を見下すような差別的な白人女性の総称だそうだ。米国で今年、犬にリードをつけてと頼んだ黒人男性に腹を立て、暴力を振るわれたと虚偽の通報をし、その後、大問題になった女性がいたが、こういうタイプの女性のイメージらしい
▼語源はよく分からない。世界中のカレンさんには迷惑な話で、同情を禁じ得ないが、人々が鼻持ちならない言動を慎む動機にはなるかもしれない。誰だって、自分の大切な名前で不名誉な流行語なんぞ作られたくはない。

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