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<旅いくガイド> 鳥羽水族館(三重県鳥羽市) 高速スピンのラッコに迫る

2020年11月29日 05時00分 (11月29日 05時00分更新)
 「再開したときにはメイに会いに来てくださいね」−。三重県鳥羽市にある鳥羽水族館宛てに今年4月、記者の次男(9)が出した手紙の返信には、そう書いてあった。高速スピンを披露する名物ラッコがいると報じた、ある新聞記事がつないだ出合い。10月下旬、親子で鳥羽水族館へ向かった。 (ガイド・福沢英里記者)

新聞記事読み飼育員に手紙

 3カ月に及んだ春の一斉休校。小4の次男が取り組む課題を探していると、鳥羽水族館のラッコ、メイを紹介する新聞記事が目に留まった。無観客という条件付きだが、フィギュアスケーターも顔負けの高速スピンを披露するという。
 次男は記事を読み「なぜ速く回れるのか」「いつからやっていたのか」など、飼育員へ質問を書いた手紙を投函(とうかん)。飼育研究部次長の石原良浩さん(59)から5月中旬に返事が来た。
 高速スピンを始めた時期は不明だが、これまで何度か飼育員が目撃。「どうしたら楽しく遊べるか考え、頑張ってきたから、速く回れるようになったのでは」と書いてあった。「なぜお客さんの前だとやらないんだろう」。疑問は膨らみ、次男は実際に会いに行ける日を心待ちにしていた。
 午前9時の開館と同時に入ると、40分後にラッコのお食事タイムがあると分かり水槽へ。メイは深さ2.5メートルの水槽を時計回りに泳ぎ、横目にこちらをちらり。思わず頬が緩んだ。
 飼育担当の石原さんの登場で、忙(せわ)しなく動くメイ。石原さんが全身を触って、痛がる所やいつもと違う所がないかをチェック。メイはそのたびイカやタラなどをもらい、豪快に頬張る。
 見どころは、水槽のガラス面に向かって投げたイカをキャッチする場面。一方、旗を持ってあいさつする、愛らしいしぐさも。
 石原さんによると、お客さんを楽しませるだけでなく「全て健康観察の一環。目に異常があれば、うまく餌を取れない、後ろ足をけがしていればスムーズに泳げないなど、さまざまな動きをさせ、異変に気づけるようにします」。

観客の前では離れ技見せず

 食事タイム後、面会の約束をしていた石原さんともご対面。メイはお客さんの前では恥ずかしさからか、気乗りしないのか高速スピンを披露しないこと、鳥羽水族館生まれで人懐っこい性格であることなど、質問に一つずつ答えてくれた。
 話は全身を覆う毛の秘密にも。ガードヘアと呼ばれる長い毛と、その下の細かい毛の2層構造で全身の皮膚が覆われ「水の中でも皮膚はぬれていない」との話にびっくり。毛と毛の間に空気をため、浮力と保温力に優れた上質な毛が、北太平洋の冷たい海で暮らすラッコの身を守る。ラッコとビーバーの毛皮を触って違いを体感した次男は「つやつやで柔らかい!」。
 どうしたら楽しく過ごせるかを考えていたというメイに、コロナ時代の生き方を教わった気がした。

◆information

 <行き方> 名古屋駅からは近鉄特急やJR快速みえ号で1時間35分〜2時間強。近鉄・JR鳥羽駅から歩いて約10分。
 <問い合わせ> 鳥羽水族館=電0599(25)2555。午前9時〜午後5時。入館料大人2500円、小中学生1300円。
 ▽グルメ 鳥羽市でこの時期、味わえるお薦めのグルメは「答志島トロさわら」。秋から冬に旬を迎え、中トロのように脂がのる。サワラといえば、西京焼きや塩焼きをイメージするが、鳥羽では刺し身か、たたきで食べる。鮮度の良さが自慢だ。
 飲食店の「伊勢海老(えび) 海鮮蒸し料理 華月」では12月上旬まで、ランチのみ、数量限定で「伊勢海老答志島トロさわら海鮮丼」=写真=が味わえる。ただし、入荷日のみ。昼は午前11時〜午後2時。電0599(26)5252
 ▽観光 体験ガイド会社「海島遊民くらぶ」代表の江崎貴久さん(46)=写真=が薦めるのは、2月中旬以降の鳥羽湾の海。海藻が程よく育ち、海底まで見渡せるほど透明度が増すからだ。無人島を目指すカヤックツアーなどのプログラムがあり、鳥羽の自然や海の恵みを体感できる。電0599(28)0001

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