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育成組織の設置を提案!ドラゴンズには知恵がある…大金を投じなくても選手は育ち勝つチームにきっとなれる【増田護コラム】

2020年11月27日 10時56分

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中日期待の石川昂と根尾(右)、まずはこの素材を開花させなければ

中日期待の石川昂と根尾(右)、まずはこの素材を開花させなければ

 日本シリーズを見て焦った。中日のAクラス入りを喜んでいる場合ではなかったと。CSが中止となった今季のセ・リーグ終盤は、久しぶりの消化試合。ここは若手にチャンスを与えてほしかった。
 育成か勝利か。先日ある中日OBとその話になり、意見が一致した。来季、3年契約といわれる与田監督は最終年。CSが復活すれば間違いなく今年以上に勝利にこだわるだろう。それを批判しようというのではない。筆者が監督でも迷わず目先の勝利を選択する。では、どうすればいいか?
 提案したいのは、強い権限を与えられた育成組織の設置である。その組織が主導し、現場スタッフの合意を得て大方針を立てる。その後も現場とコンタクトをとり、利害が対立した場合は調整にあたる。育成組織のメンバーは球団への愛着と育成への情熱があるのが条件で、契約は長期。情報管理の秘密保持契約を結ぶ。次世代に生かすため育成の失敗事例も集め、練習方法も研究する。円滑な運営のため監督との契約に育成への協力をも織り込む…というものだ。
 参考にしたのは広島カープの考え方。筆者は1989年から5年間、貧乏球団の時代を担当した。松田元(はじめ)オーナー代行(現オーナー)は「うちはケチじゃけぇ」と自虐的に言いながらも、さまざまな知恵を絞っていた。ドミニカ共和国に野球アカデミーを建設しただけでなく、「うちはコーチも育てる」と話し、実際に監督が外部から招くコーチも2~3人に抑えていた。
 苦い経験があったからだ。古葉竹識さんが87年大洋の監督になったとき、おもだったコーチ、さらにはスカウトまでが移籍した。それだけ古葉さんに人望があったのだが、カープとしてはこれを契機に指揮官に任せっぱなしだった運営を反省した。中日にも思い当たるフシはないだろうか。
 日本シリーズ中に気になったことがもうひとつ。ともに育成出身のソフトバンク・千賀、石川両投手が中日の吉見にかけられた言葉に感謝しているとの報道に触れた。では中日の若手は吉見の背中から何を学んだのだろう。取り組み方により見える景色も、同じ言葉を聞いても感じ方は違う。独立リーグとの練習試合を組んだり、実戦の場を増やすことも有益だろう。とにかく競争のあるチームにしたい。
 このコロナ禍である。大金を投じるのが難しいのは容易に想像できる。筆者の案など無視してもらってかまわない。ドラゴンズは知恵があるから勝てるんです…そんな痛快なチームがみたいだけである。

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