てんかん影響で事故 無罪 「発作現実味乏しかった」 福井地裁判決

2020年11月27日 05時00分 (11月27日 09時36分更新)

 てんかんの影響で発作を起こす可能性がある状態で車を運転し、発作によって人身事故を起こしたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪に問われた男性被告(66)に対し、福井地裁が無罪(求刑懲役十月)を言い渡していたことが分かった。二十五日付。
 判決などによると、男性は昨年二月、福井市内を運転中にてんかんの発作で意識を失い、対向車線を走っていた乗用車と後続車に衝突し、後続車の運転手に二週間のけがを負わせる事故を起こした。公判では、男性が運転中にてんかんの発作で意識障害を起こす可能性があったことを認識していたかどうかが争点となっていた。
 男性は二〇一八年十一月に物損事故を起こした際のの記憶がなく、医師から抗てんかん剤を処方されていた。しかし、それ以降発作やその前兆を感じることはなく、医師も再発の可能性は低いと考えていたという。
 西谷大吾裁判官は判決理由で、物損事故の際にてんかんの確定診断がされず、事故後も発作がなかったことから、男性が「事故当時、意識障害に陥る恐れがあることを実感できていたとは考えにくい」と指摘。男性は事故を起こす三、四日前から薬の服用を怠っていたものの、「発作自体が現実味に乏しく、医師からの強い指導もなかった」として薬を服用しないことで意識障害に陥る危険が生じるという認識を持たなかったとしても不自然ではないとした。
 福井地検の西尾健太郎次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対処したい」とコメントした。

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