「技能実習制度=国際協力」ほど遠く
2020年11月27日 05時00分 (11月27日 05時01分更新)
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コロナ禍で仕事や住まいを失い、外国人技能実習生の苦境が続く中、実習制度そのものの矛盾点が浮き彫りになってきた。制度の建前は、発展途上国に技能を伝える国際協力。だが、それを「フィクション」と疑問視し、撤廃を求める声も出ている。
「スリッパで頭、たたかれた。髪の毛、引っ張られた」。六月まで名古屋市内の内装業者で技能実習をしていたミャンマー人の二十代の女性二人が、十月末に参院議員会館で開かれた集会で実態を訴えた。
日本語をうまく話せない二人から、「ものづくり産業労働組合JAM」アドバイザーの小山正樹さん(69)がヒアリングした。二人の実習は壁紙を張る作業で、時給は最低賃金の九百円程度。月二万円の家賃のほかに電気代二万円を徴収された。六十時間以上残業した月は手取りが二十万円だったが、コロナの影響を受けた四月は十万円だった。
社長に電気代を指摘すると髪を引っ張られ、仕事でミスをしたらスリッパでたたかれた。「おまえ、帰れ」と言われたり、事務所に呼び付けられて社長の肩もみをさせられたりしたことも。小山さんは「社長の言うことが絶対で、逆らうことができない」と指摘した。
二人は実習生を受け入れ支援する...
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