浜松市協力金詐取の疑い 組員と飲食業者を逮捕

2020年11月26日 05時00分 (11月26日 05時03分更新)
加藤優美子容疑者が経営し、協力金不正受給の舞台となった飲食店=25日、浜松市中区元浜町で

加藤優美子容疑者が経営し、協力金不正受給の舞台となった飲食店=25日、浜松市中区元浜町で

  • 加藤優美子容疑者が経営し、協力金不正受給の舞台となった飲食店=25日、浜松市中区元浜町で
  • 浜松西署に入る岩倉博貴容疑者=25日午後5時45分
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、浜松市が支給した休業要請の協力金をだまし取ったとして、浜松西署などは二十五日、詐欺の疑いで、浜松市中区曳馬六、指定暴力団六代目山口組七代目一力一家系組員岩倉博貴(38)、同居の飲食業加藤優美子(50)の両容疑者を逮捕した。市の協力金不正受給の摘発は県内で初めて。署などは、詐取した協力金が暴力団に流れた可能性もあるとみて調べている。
 逮捕容疑では、五月下旬、加藤容疑者が経営し、岩倉容疑者が働いていたとみられる浜松市中区の飲食店が休業要請に応じず、協力金の支給条件を満たしていないにもかかわらず、市に虚偽申告し、協力金五十万円を詐取したとされる。署は、両容疑者の認否を明らかにしていない。
 署によると、休業要請期間の四月二十五日〜五月六日の間、実際は営業していた日があったが、市には全日休業したとして五月二十日に郵送で申請。休業を知らせるポスターのコピーを添付していた。協力金は同二十九日に加藤容疑者の口座に振り込まれた。匿名の情報提供を受け、捜査していた。
 市は、市内にあるレストランやスナックなどを運営し、休業要請に応じた中小事業者に五十万円の協力金を給付した。約三千七百店から申請があり、条件を満たした約三千五百店に支給した。

◆「自己申告」に抜け穴 事後申請で市チェック困難

 浜松市の休業要請に応じた協力金は店側の自己申告で支給され、市のチェックには限界があった。飲食店を知る住民の間では以前から不正受給を怪しむ声があった。
 協力金の申請には、事業収入額を記載した帳簿の写しのほか、休業を告知するポスターやチラシの写しなどが必要。申請は休業要請期間後の五月七日に始まったため、実際に休業していたか市側が確かめることは難しかった。
 不正受給の対策として、虚偽申請の場合は協力金を返還した上で、協力金と同額の違約金を支払うことや、暴力団員が関与していないことなどを確認する誓約書の提出を求めていた。
 市によると、六月ごろから不正受給の情報提供が複数あった。市の担当者は「営業していた証拠が乏しく、虚偽申請の立証が難しい」と指摘し「捜査の動向を見守りたい」と話した。
 付近の住民によると、休業要請期間中、店のドアには休業を知らせる張り紙があったが、店内から騒がしい声が聞こえ、朝方に客とみられるグループが店先で談笑していたこともあったという。これまで目立ったトラブルはなかったが、近所の間で「休業せずに協力金をもらっているのでは」と話題になることもあった。

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