空間広々、全方位で進化 スズキ・新型ソリオ

2020年11月26日 05時00分 (11月26日 05時01分更新)
5年ぶりの全面改良で4代目となった新型「ソリオ」(スズキ提供)

5年ぶりの全面改良で4代目となった新型「ソリオ」(スズキ提供)

  • 5年ぶりの全面改良で4代目となった新型「ソリオ」(スズキ提供)
  • 新型「ソリオ バンディット」を紹介するスズキの鈴木俊宏社長=浜松市南区で
(スズキ提供)
  • スズキの小型車で初めて採用したヘッドアップディスプレー(スズキ提供)
  • 広くなった荷室。容量35リットルのスーツケースを5個並べられる(スズキ提供)
  • 永田和夫チーフエンジニア(スズキ提供)
 スズキは二十五日、小型車の主力モデル「ソリオ」を五年ぶりに全面改良し、十二月四日に発売すると発表した。四代目となる新型は前モデルより荷室の前後を十センチ拡大する一方、最小回転半径は四・八メートルに据え置き、広い室内空間と取り回しの良さを両立させた。上質なデザインの派生車「ソリオ バンディット」と合わせて月間四千台の販売を目指す。 (鈴木啓紀)
 ソリオは「ワゴンRソリオ」として二〇〇〇年に発売。軽自動車で人気のハイト(背高)ワゴンを小型車に持ち込んだ最初の車で、スズキの小型車の中で最多の販売台数を一五年度から続ける。新型は売れ筋のグレードに磨きを掛け、細部の使い勝手を向上させた。
 運転席前のダッシュボード上に車速やシフトレバーの位置などを表示する「ヘッドアップディスプレー」を同社の小型車で初めて採用。ドライバーの視線の移動を減らし、運転に集中できるようにした。電動式の後席スライドドアを閉めると同時にロックを予約できる機能も追加。降車した子どもの見守りなどに素早く移ることができる。
 排気量は一・二リットル。ガソリン車と、加速時にモーターでエンジン走行を補助するマイルドハイブリッド車(HV)がある(バンディットはマイルドHVのみ)。モーターだけでも走行できる本格的なHVはラインアップから外した。希望価格は百五十八万一千八百円から。前モデルの同一グレードに比べ七千七百〜三万一千九百円の値上がりに抑えた。
 ウェブ発表会でスズキの鈴木俊宏社長は「全方位で大きな進化を遂げた」と強調。一六年度から続く登録車(小型車)の年間販売十万台以上の死守に向け、「新型ソリオで挽回したい」と意気込んだ。
 営業担当の鈴木敏明常務役員は、新型コロナウイルス感染を警戒する人のために、スズキ自販浜松など全国二十六代理店の九十五店でオンライン相談を始めたと説明。「導入拠点を順次増やしていく」と語った。

◆開発の永田チーフに聞く

 新型ソリオの開発を主導した永田和夫チーフエンジニアに、狙いや苦労した点を聞いた。
 −コンセプトは。
 ファミリー層から「後席を快適に」「荷室を広く」「安全装備を充実して」との声をいただいた。コンパクトハイトワゴン市場の開拓者として「お客さまのニーズに応え、高い安全性を有する新型ソリオ」とした。
 −開発者としてこだわったところは。
 昨今の品質問題があったので、品質を最優先した。小さな音、一台だけの問題でも無視することなく、発生原因を解明するよう設計者に指示した。しっかりと原因を調べることで、全ての量産車の品質を担保する形で開発を進めてきた。
 −本格的なハイブリッド車(HV)は、前モデルが価格面などで売れなかったから外したのか。
 販売状況は考慮した。加えて、前モデルのHVはバッテリーを荷室の下に置いていたため、荷室の使い勝手をやや犠牲にしていた。
 −前モデルに比べて燃費が悪くなっている。
 室内を広くしたり安全装備を充実させたりしたことで車重が増えた。排ガスの浄化を優先した面もある。
 −ダイハツ工業の「トール」など競合車も多い。コンパクトハイトワゴン市場の見通しは。
 二〇一六年に競合モデルが出たが、ソリオの販売台数は減っていない。逆に競合が現れたことで市場が活性化した。販売台数はさらに増えるだろう。

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