茶の成分、DNAから予測 静岡大・中日新聞連携講座

2020年11月26日 05時00分 (11月26日 05時03分更新)
DNA情報から機能性成分を予測する技術についての研究成果を話す一家崇志准教授=静岡大学提供

DNA情報から機能性成分を予測する技術についての研究成果を話す一家崇志准教授=静岡大学提供

  • DNA情報から機能性成分を予測する技術についての研究成果を話す一家崇志准教授=静岡大学提供
 静岡大と中日新聞東海本社の連携講座「未来のくらしをデザインする技術」が二十四日、オンラインで始まった。第一回は一家崇志(いっかたかし)・農学部准教授が担当。最新の研究成果として、「日本茶」のDNA分析で得た遺伝情報から、カテキンやカフェインなどの機能性成分を予測する世界初の技術について解説した。要旨は以下の通り。 (細谷真里)
 米やトマトなどの種子は、品種によって姿形が違う。一部のDNA情報が違うことで、形や中の成分などが変わる。そのDNA情報の多様性を調べて、なぜその色や形になるのか関連づけてあげることが、私たちの研究の中心になる。
 お茶は、カテキンやカフェイン、アミノ酸などユニークな機能性成分をたくさん含むことなどから、世界中で生産が伸びている。カフェインレスや機能性成分に注目したお茶など新しい品種を作る要望がたくさんある。日本での品種は七割以上が「やぶきた」だ。優れた品種だが、一つの品種に集中してしまうと、質の画一化や気象災害のリスク拡大などの問題がある。
 そこでわれわれが着目しているのが(自然に育った)「在来種」の木だ。
 一株一株ごとにお茶の特性が異なるので、不均一だが、遺伝資源として価値が高い。この遺伝資源の多様性を利用して、新品種を作っていこうと考えている。
 研究では、約百六十種類の発芽直後の葉のDNA情報と、カテキンやカフェインなどの機能性成分や茶の色味、葉っぱの形、収穫時期などの形質を一気に取得して解析した。その後、DNAと機能性成分などの情報を使い、成分含有量を予測できるかどうか、などを明らかにする処理をした。すると、カテキンやカフェインは成分含有量の予測が高精度にできたことから、今回の研究成果につながった。
 これまで、新品種の開発までにはお茶同士を交配し種子を芽生えさせ、大規模に栽培し、さまざまな形質を一つ一つ評価するなど、品種登録をするまで二十年以上かかっていた。今回の予測手法の確立により、新品種の効率的な開発が期待できる。今後は、今回予測できなかった成分のアミノ酸などについて、できなかった原因を調べたい。また、より多くの種類を解析することで予測精度を上げる研究をしていきたい。

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