岐阜県知事選 コロナ後の未来も競え

2020年11月26日 05時00分 (11月26日 05時00分更新)
 来年の岐阜県知事選は現職の古田肇氏(73)と元内閣府大臣官房審議官の江崎禎英(よしひで)氏(55)が出馬表明し、事実上一騎打ちの構図が固まった。コロナ対策はむろん、県の未来像を競う選挙戦を期待する。
 任期満了に伴う岐阜県知事選は来年一月七日に告示され、同月二十四日に投開票が行われる。
 現職の古田氏は二十日に記者会見し「新型コロナウイルスから県民の命を守るという一点を最大の課題として、引き続き取り組んでいきたい」と述べ、五選を目指して出馬すると表明した。
 二十日に退官した江崎氏は二十二日に記者会見し、官僚時代に国の感染対策に携わった経験を踏まえ「コロナで不安な気持ち、将来の不安、この空気を選挙戦で変えていく」と訴え、出馬表明した。
 全国的に感染第三波の深刻な状況にあるだけに、両氏がコロナ対策を最重点に挙げるのは、県民の命や生活に責任を持つ知事の候補者として当然のことではあろう。
 古田県政で四回続いた自、公、民などの相乗り候補対共産系候補という構図が変わる。古田氏支援の大半の県選出国会議員や県議と、江崎氏支援の有力県議らに自民党県連が割れた、五十四年ぶりの「保守分裂選挙」でもある。
 その分裂はしかし、久しくなかった有力候補同士の激突を出現させる。元県職員の新人も参戦する情勢で、今回は有権者に多様な選択肢が示されることになり、「県民が選ぶ」という当事者意識をより高める機会となろう。どの政党が支援するかだけではなく、候補者の政策や人柄に目をこらして一票を投じてほしい。
 古田氏は四期目の実績としてコロナ対策や災害復旧などでの危機管理を挙げた。五期目に向け「清流岐阜」を基本にした県づくりの継続を強調したが、何よりも、なぜ五選を目指すのか説得力ある言葉で説明すべきである。中部地方では十月の富山県知事選で五選を狙った現職が落選した。多選への有権者の厳しい視線に謙虚に向き合う姿勢を忘れてはならない。
 一方、江崎氏は会見で「岐阜に新しい風を吹かせる」と述べた。霞が関を去り、目指すのは県政のかじ取り役である。新鮮さのアピールだけでなく、現状の県政のどこをどう変えるのか、具体的に語ってほしい。
 各候補者に求められるのは、コロナ対策だけでなく、コロナ後も含めた岐阜の未来像に、どのような青写真を持っているか示すことである。

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