中日・滝野要は練習から1軍と同じ心持ちで打球を追う
2020年11月25日 10時44分
◇連載企画「若竜、実りの秋へ」⑤
不安の芽を一つずつつぶすしかない。今季1軍デビューを果たしたプロ2年目の滝野要外野手(24)。秋に取り組むテーマの一つが、守備での打球判断だ。
真後ろへの打球や、詰まって内野との間に落ちる当たり。一瞬の判断で明暗が分かれる。「ただ反応よくいくのではなく、正確な判断。落ち着いた判断をすればいいものをできない時があった」とシーズンを振り返る。
今季は10月に代走としてプロ初出場。「思い切っていこう」と勢いよくベンチを飛び出した。ただグラウンドに立つ時間が長くなるにつれ、フワフワとした気持ちが湧いてくる。「1軍の雰囲気は違う」。五感でその違いを感じ取った。
教訓にしたのは不安要素を徹底的につぶすこと。成功体験はある。1年目の昨季はウエスタン・リーグでわずか2盗塁。それが今季は昨季よりも少ない試合数でチームトップの12盗塁にまで躍進した。工藤2軍外野守備走塁コーチと、上げた手の方向にダッシュする練習を繰り返し、反応速度を磨いた。地道な練習で盗塁する時に生じる不安を振り払った。
途中合流したフェニックス・リーグではここまで7試合中6試合で外野手で出場。「練習から同じ緊張感を持って取り組まないといけない」とノックの一球一球を1軍の試合と同じ心持ちで追い掛ける。
プロ初打席では空振り三振。肩を落としてベンチに引き揚げた。悔しそうな表情に気づいたのか、「そんなに甘くないよ」と高橋に諭すように言われた。苦労の末に現在の地位を築いた主将の言葉を胸に、宮崎で汗を流す。
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