金沢国際ホテル 中井 千佳子さん(38)夫婦の門出 幸せ演出

2020年11月25日 05時00分 (11月25日 09時50分更新)
白山比咩神社の縁結びの神が祭られた「白山殿」を紹介する中井千佳子さん=金沢市の金沢国際ホテルで

白山比咩神社の縁結びの神が祭られた「白山殿」を紹介する中井千佳子さん=金沢市の金沢国際ホテルで

  • 白山比咩神社の縁結びの神が祭られた「白山殿」を紹介する中井千佳子さん=金沢市の金沢国際ホテルで
 ブライダルプランナーとして十二年余り、数知れない新郎新婦の祝福の場に立ち会ってきた。和洋のスタイルや会場のしつらえ、招待者、衣装、料理、引き出物、予算…。思い描く結婚式は各人各様。半年〜一年間かけて打ち合わせを重ね、晴れの一日を共につくり上げていく“トータルコーディネーター”を担う。「人生の節目に寄り添い、幸せのお手伝いができれば」
 石川県白山市出身。大学卒業後、専攻した英語を生かして「自分自身を成長させたい」と、金沢国際ホテル(金沢市)に就職。三年間、レストランで経験を積み、ブライダル部門に移った。婚礼のしきたりはもちろん、流行も学んだが、駆け出しの頃は思うように対応できず、顧客から「担当を代えてほしい」と言われたことも。「つらくて何度も泣いた。辞めたいと思った日もある。でも、一生に一度の結婚式。それだけの思いがある」。役割の重さが身に染みた。
 ピーク時には十五組を同時に担当。会話を大切にし、さまざまな質問をして人柄や好みをつかむよう心掛けた。それを一組ごとにメモにまとめ、提案に生かした。「中井さんで良かった、と言ってもらえるのが一番うれしい」。準備の苦労も、本番の幸せそうな笑顔と「ありがとう」の言葉で吹き飛ぶ。式後、子どもを連れて再訪してくれたり、年賀状を交わしたりと、縁が続く夫婦もいる。
 人生の記念日を控えた新郎新婦に、コロナ禍は不安を投げかけた。ほぼ全ての式が延期になり、館内の消毒やテーブルの人数制限など、感染対策に追われた。「いつ挙げられるのか」「大切な家族や友人が参加できないかも」。そんな相談も受けた。
 何ができるのか−。悩んだ末、「準備の時間が増えたと、プラスに考えて頑張りましょう。この状況だからこそ、集まってくれた人たちと過ごす時間は、より絆が深まる大切なものになる」と思いを伝えた。延期を経て式を挙げた夫婦が「いろいろ悩んだけど、やれて良かった」と言ってくれたのが救いだった。
 来年、開業四十周年を迎える金沢国際ホテルでは、親子二代で結婚式を挙げた人もいる。「新しい生活様式に沿って新郎新婦のあこがれをどうやってかなえられるか、考えたい。次の世代にも利用してもらえるように」。気概を新たにしている。(高本容平)

【会社メモ】1981(昭和56)年開業。地上8階建て、客室数100。結婚式場として白山比咩神社(石川県白山市)の縁結びの神が祭られた「白山殿」と、チャペル「水と光の教会」を備える。従業員は約150人。金沢市大額町。


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