子どもへの不適切なかかわり 「マルトリ」陥らないで 

2020年11月25日 05時00分 (11月25日 09時29分更新)
「マルトリ」が脳の発達にまで影響することなどを科学的根拠に基づき、分かりやすくまとめた研修・啓発教材を紹介する友田教授=24日、永平寺町の福井大学松岡キャンパスで

「マルトリ」が脳の発達にまで影響することなどを科学的根拠に基づき、分かりやすくまとめた研修・啓発教材を紹介する友田教授=24日、永平寺町の福井大学松岡キャンパスで

  • 「マルトリ」が脳の発達にまで影響することなどを科学的根拠に基づき、分かりやすくまとめた研修・啓発教材を紹介する友田教授=24日、永平寺町の福井大学松岡キャンパスで

 福井大・友田教授が教材

 虐待とまでは言い切れない子どもへの不適切なかかわり「マルトリートメント(マルトリ)」への理解を深めてもらおうと、福井大は大阪府の精神保健福祉センターなどと協働で、マルトリに関する研究成果をまとめた教材を開発した。ウェブサイトから無料で利用でき、同大の友田明美教授(59)は「開発した教材を通して社会に良い恩恵を与えられれば」と話す。 (堂下佳鈴)
 友田教授ら同大子どものこころの発達研究センターと、大阪府の府こころの健康総合センター(大阪市)、豊中市、枚方市が二年かけて研修・啓発資材を開発。マルトリが脳に与える影響など友田教授の講義内容を収めたテキストブックと、マルトリ予防のすすめ、マルトリに対応する支援者のためのガイドブックの三つの冊子を作成した。児童福祉や母子保健などさまざまな分野の支援者がマルトリについて共通理解し、マルトリがある家族の早期発見・支援につなげてもらう。
 マルトリは虐待よりも広義で、どの家庭でも起こり得るという。例えば、怒鳴る、夫婦げんかを子どもに見聞きさせる、きょうだいや他の子と比べることも該当する。エスカレートすると深刻な虐待に陥る心配があり、脳の発達や成人後の疾患発症に影響する可能性が友田教授らの研究で明らかになっている。
 「マルトリは養育者からのSOS」。友田教授は社会がそのことに気付き、養育者を認めてあげることや社会全体で子育てを支援することがマルトリを予防するために重要だと訴える。
 開発された教材は新設した「マルトリ予防WEBサイト」(marutori.jpで検索)から誰でも無料で利用できる。支援者など専門家に限らず、社会全体で「マルトリ」の共通理解を広げることが狙い。児童虐待の低減に向けて、友田教授らは今後も講演会などを通して普及活動を展開していく。

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