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「無罪の心証」自責の人生 袴田さん一審の元裁判官・熊本さん死去

2020年11月25日 05時00分 (11月25日 05時01分更新)
熊本典道さん

熊本典道さん

 一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん(83)が十一日、急性肺炎で死去した。判決の翌年に裁判官を退官した後は波乱に富んだ人生を送りながら、死刑確定後に釈放された袴田巌さん(84)の再審請求審の支援に力を注いだ人物だった。 (佐藤直子)
 「『秀子だよ、分かる?』って呼びかけたら、熊本さんは口もきけなかったけど、目でうなずいた」。袴田さんの姉秀子さん(87)が、最後になった面会を振り返った。
 今月二日、熊本さんの家族から「医師に『命はあと二、三日』と告げられた」と電話があった。秀子さんは袴田さんの支援者と一緒に翌朝、福岡市の入院先に向かった。熊本さんの腕をさすりながら、「元気出しなよー」と声をかけて病室を後にした。
 佐賀県唐津市出身の熊本さんは九州大法学部を卒業後、司法試験にトップで合格。六三年に任官した。静岡県清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社の専務一家四人を殺害、家に放火するなどしたとして起訴された袴田さんの一審静岡地裁の公判を担当し、死刑判決を書いた。
 判決を悔やんで半年後に裁判官を退官...

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