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初代タイガーマスクのリング復帰へのタッグマッチ 40周年のその日を信じて待つ【山崎照朝コラム】

2020年11月24日 11時58分

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来年のリング復帰に意欲を見せる初代タイガーマスクの佐山サトルさん。左は新間寿さん

来年のリング復帰に意欲を見せる初代タイガーマスクの佐山サトルさん。左は新間寿さん

 初代タイガーマスクの佐山サトルさんが11月9日、千代田区外神田の「神田明神ホール」で行われたリアルジャパンプロレス「ストロングスタイルプロレスVol.7」に元気な姿を見せた。闘病中の佐山さんはパーキンソン病の疑いがあり車椅子での来場。リングサイドから「来年はデビュー40周年を迎えます。リハビリで頑張って来年はリングの上にカムバックしたい。来年、リングの上で会いましょうね」と復活を約束し、ファンを喜ばせた。
 私が佐山さんと会ったのは、彼が世田谷の新日本プロレス道場で入門して間もない頃。そしてデビューするとスピード感あふれる空中戦でファンを沸かせた。その身体能力の高さに圧倒されたものだ。私は劇画作家の梶原一騎先生とは極真空手を通じて懇意で、佐山さんが先生の劇画「タイガーマスク」そのままの姿でリングに登場したときは本当に驚いた。
 その佐山さんが2015年5月に心臓疾患を患った。翌年には歩行困難となり12月から長期欠場を余儀なくされている。全盛期を知る者には信じられない光景だ。その佐山さんを新日本プロレス時代から寄り添い支えて来たのが業界で“過激な仕掛け人”として知られる新間寿さん(85)だ。先日、入門時からの話をじっくり聞く機会があった。
 佐山さんは山口県出身。新日本プロレスの門をたたいたのは1975年7月。格闘技好きで小学生の頃から柔道場に通って鍛えていた。高校を卒業すると憧れだった新日本を受験。新間さんはその時の新人採用責任者だったそうで、その時の印象を「あまりにも礼儀がしっかりしていたので真っ先に思ったのが“この子の親に会ってみたい”ということでした」と語った。
 子は親の姿を見て育つという。入門の意思をしっかりと語る佐山さんに感銘を受けた新間さんは、上司に相談することなく独断で採用を決めたという。親子3代でプロレスに関わる業界のレジェンドである新間さんは、直感で素質を見抜いていた。
 大柄が当たり前のプロレス界で、佐山さんは身長172センチ、体重70キロそこそこ。批判を覚悟の上での採用だったが、入門後の佐山は豊富な練習量で体格差を克服。スピードを武器に一世を風靡(ふうび)し、数々の名勝負を生んだ。
 それだけに難病と知らされても新間さんも私もピンと来なかった。今はリハビリに集中して取り組み、復帰を願うファンに「来年はリングに上がってストロングを披露する」と力強く語り、復帰へ強い意欲を見せている。
 「初代タイガーマスク後援会」を立ち上げ、代表理事に就いて佐山さんをサポートする新間さん。プロレス界の裏も表も知る新間さんがほれ込んだ“佐山サトル”への思いを聞いて私は感動している。リングに上がれば間違いなくその感動は倍増する。ファンとともにその日を待ちたい。

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