忘新年会自粛ムード 片町、あわら団体客が大幅減   

2020年11月24日 05時00分 (11月24日 09時47分更新)

人通りがまばらな片町。コロナ禍は忘新年会シーズンにも大きな影を落としそうだ=福井市順化2で


 旅館やホテル  個人客らが穴埋め


 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県内でも忘新年会の自粛ムードが高まってきた。年末年始は例年、予約で埋まる飲食店のカレンダーには空白が目立つ。越前がにシーズンに入り、宿泊施設では「Go To トラベル」の個人客らが穴を埋めているが、政府はトラベルの運用を見直す方針で、感染者増に気をもむ状況に変わりはない。 (北原愛)
 人通りがまばらな県内随一の繁華街・片町(福井市)。ある居酒屋の予約担当者は「Go To イートでフリーのお客は増えたが、団体は例年の三分の一から二分の一。全体では四〜五割減少か」と明かす。
 別の店の担当者も「いつもなら、この時期は二十人以上の団体客で埋まった。今年は予約があっても二〜四人。県内でも感染拡大し、呼び込むに呼び込めないよね」とこぼす。国や各都道府県で、Go To イートの利用人数制限が検討され始めたことも不安材料の一つだ。
 二次会で客が流れるカラオケ店やスナックも厳しい。「予約は全くない。フリーのお客も来ない。部屋の換気や清掃など対策を徹底しているのに…」と福井市内のカラオケボックス関係者はぼやく。
 一方、宿泊施設の状況はまだ明るい。あわら温泉(あわら市)の清風荘は忘新年会の予約はないが、個人客で十二月までほぼ満室。Go To トラベルが終了する来年一月末までは今のところ好調だ。橋詰直樹営業課長(48)は「春ごろに年内のコロナ収束はないと踏んで、個人客向けの営業を強化した」。旅行会社にカニと組み合わせたプランを提案したり、個人客にインターネットでアピールしたりと攻めの姿勢が奏功した。
 グランディア芳泉も、忘新年会の団体客は仮予約を含めて例年の四割程度と低調だが、個人客が増えた。山口高澄常務(33)は「宴会場や二次会場でのカラオケ禁止、一部屋当たりの宿泊者数を半分程度に減らす」などと対策を説明する。ただ、新型コロナ感染拡大を受けキャンセルが出始めた。個人客は予約の問い合わせもあり、対策の徹底と感染状況に神経をとがらせている。

 

 会話時マスクを


 忘新年会での新型コロナウイルス感染リスクを下げるため、県は県民に対して「会食は少人数・短時間で」などと注意喚起している。食事中の会話はマスクを着用するか、扇子やハンカチ、おしぼりなどで口を隠し「センスある会食を」とも呼び掛ける。
 県職員の忘新年会はどうするのか。例年は職員数二十〜三十人の各課ごとに企画していて、人事課は「四人以下を目安に少人数で」と通知した。各課の反応は「グループごとに分かれて」「県内でもここ一週間で感染が広がった。どうしようか」「忘年会の『ぼ』の字も出ていない」など、様子見という雰囲気が強い。
 民間では中止を決めた企業も多い。福井市の女性(52)は「組合で話し合い、いつものような忘新年会は取りやめ。あわら温泉へのお泊まりも、飲み会もなし。コロナ禍でテレワークが多かっただけに、部署の皆でワイワイと憂さを晴らしたかった」と話す。坂井市の男性(58)も「忘新年会は若い社員らとの“飲みニケーション”の大事なチャンス。いったんやめれば、もう復活はないかも…」と寂しそうだ。
 一方で、「もともと飲まないタイプなので忘新年会がないならないで良い。小さな子どももいるので感染できない」(男性団体職員)との声も聞かれた。 (尾嶋隆宏、長谷川寛之、北原愛)

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