“家族”の命諦めない 猫の治療費 支援金募る 福井の坂井さん

2020年11月24日 05時00分 (11月24日 09時41分更新)
愛猫メリの病気治療へクラウドファンディングで支援金を募る坂井さん=福井市内で

愛猫メリの病気治療へクラウドファンディングで支援金を募る坂井さん=福井市内で

  • 愛猫メリの病気治療へクラウドファンディングで支援金を募る坂井さん=福井市内で

 福井市の会社員坂井彩さんが病気を抱える愛猫のメリ(雌、一歳)を治療するためインターネットのクラウドファンディングで二十九日まで支援金を募っている。メリが抱える猫伝染性腹膜炎(FIP)は、致死率が100%近いと言われる病気。坂井さんは「メリは大切な家族。簡単に命を諦めたくない」と協力を求めるとともに「この病気に理解を深めてほしい」と話している。 (波多野智月)
 FIPは猫コロナウイルスが原因となり、胃や肝臓を包む腹膜に炎症が起きる。発症すると数日から数カ月で死に至るとされる。日本では延命のための対症療法しかできず、治療には海外製の高額な薬を投与する必要がある。
 メリは八月、ホームセンターのペットコーナーで格安で売られていたのを坂井さんに引き取られた。「痩せて食事もほぼ取らず、今思えば少しおかしかった」。二週間ほどして避妊手術を受ける際、獣医師から腹部に水がたまるなどFIP特有の症状が出ている、と告げられた。数日後に受けた遺伝子検査も陽性で、確定診断を受けた。
 「ショックで何も考えられなかった」と坂井さん。必死に治療法を調べ、薬があることが分かったが、一回一万円以上する薬を三カ月にわたって投与しなければならず、諸費用を含めると百万円以上かかることも分かった。
 「この子はこういう運命だったんじゃないか」。夫からはそういわれたが、諦められなかった。「せっかく狭いケージから出られたんだから、もっといろいろな景色を見てほしい」。二人で話し合いを重ね、治療を決意。同じ病気の猫を飼う知人から、クラウドファンディングで治療費を集める方法を教えられた。
 治療に必要な八十四日間分の薬代や検査費用を合わせた目標額は百三万円。クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」(メリ FIPで検索)で、十一月二十三日時点で二百四十人以上から約六十七万円が集まった。既に治療を始め、会員制交流サイト(SNS)で情報交換をする人も増えた。「周りの人に支えられている」と、坂井さんは声を詰まらせる。
 FIPの治療薬の存在はあまり知られておらず、獣医師から紹介を受けられない場合もあるという。「薬があることを知ってもらい、治療できる病気だということを伝えたい。そのためにも、もっとメリと一緒に生きたい」

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