防御率タイトルの自信か…沢村賞の中日・大野雄のマウンドさばきには余裕が漂っていた【川上憲伸さん特別寄稿】

2020年11月24日 06時00分

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大野雄(左)と現役時代の川上憲伸さん=2013年

大野雄(左)と現役時代の川上憲伸さん=2013年

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 中日・大野雄大投手(32)が球団では16年ぶり9人目(11度目)となる沢村賞を受賞した23日、2004年に同賞を手にした元中日投手で本紙評論家の川上憲伸さん(45)が特別寄稿。飛躍の理由を分析した。
 ◇   ◇
 今季の大野雄はネット裏から見る限り、余裕を漂わせるマウンドさばきが目立った。連続無失点イニングの球団記録(45)こそつくったが、意識していたのは先発として試合をつくるという最低限の仕事を念頭に置いていたように思う。
 1点差、2点差の試合展開では当然、先発投手はピリつくもの。ただ昨年防御率のタイトルを取った自信からか、今季の大野雄はどっしり構えていた印象だ。
 投球術でいえば、左打者への攻略法に進化があった。大野雄は左腕だが、左打者に痛打されるシーンが目立った。その理由は速球とスライダーの2種類の球種のみで配球していたから。これでは左打者は踏み込みやすく、左中間に強い打球を打ちやすい。そこで大野雄は右打者へ有効なツーシームを左打者にも多投。時に外角へこのツーシームを投げ込むなど、球種を増やすことで活路を見いだした。
 ボクも現役時代にカットボールの使い方を制限した時期があったが、その「リミッター」を外すことで有利に運ぶことに気づいた経験がある。いずれにせよ、分業制が確立した現代野球で完投数10は驚異的。今季は文句なしに沢村賞に値する投球だった。
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