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貴景勝、大関初Vは”究極の原点回帰”でつかんだ…「何も考えず初めて脳を止めて体に任せた」

2020年11月23日 13時09分

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貴景勝(左)が押し出しで照ノ富士を下し、優勝を決める

貴景勝(左)が押し出しで照ノ富士を下し、優勝を決める

◇22日 大相撲11月場所千秋楽(東京・両国国技館)
 さあ綱とりへ。上位陣でただ一人千秋楽を迎えた大関貴景勝(24)=千賀ノ浦=が、1差追走の照ノ富士に結びで敗れたが、優勝決定戦を制して13勝2敗で、小結時代の2018年九州場所以来となる2度目、大関としては初めて賜杯を抱いた。
 いつもは何が起きても顔色ひとつ変えない貴景勝が、2度目の優勝を決めた直後、こみ上げる思いを何とかこらえて唇を震わせた。優勝決定戦で照ノ富士を迷いなく押し出し。2度の幕尻優勝など波乱が続いた2020年の土俵を、出場最上位の意地で賜杯を抱いて締めくくった。
 結びの本割では浴びせ倒され、背中に砂がべっとり。誰が見ても完敗だった。「情けなさと悔しさと…。でも、もう1度やれるチャンスをありがたく感じ、一生懸命取ろうと思いました」
 全盛期の姿を取り戻しつつある元大関に、力ずくでねじ伏せられたショックは計り知れない。決定戦までわずかな時間しかない中、桁違いの精神力で立ち直った。奮い立たせてくれたのは、本名の佐藤をしこ名に土俵に上がった新弟子時代から、忘れずにいる強さへの憧れだった。
 自分よりも大柄な相手が大半の世界。まわしを取られたら万事休す。突き押しを磨くしかなかった。大一番で気分は黒まわしの16歳。「何も考えなかった。脳の指令で体は動くけど、初めて脳を止めて体に任せてやりました」。究極の原点回帰が電車道を描き出した。
 小結だった2018年九州場所で、初優勝してから2年。けがで苦しい時間を過ごしてきた。19年春場所後に大関昇進したが膝を負傷。かど番の名古屋場所は出場できないまま地位を失った。翌場所に大関復帰を決めたが、優勝決定戦に敗れて大胸筋を痛めた。
 土俵に上がれないもどかしさを知るからこそ、上位陣に負傷が続き横綱不在かつ一人大関という異常事態にも「元気で不安のない自分が、踏ん張らないといけない」とひるまなかった。「変なところは見せられない」と重責を乗り越えて11場所ぶりに手にした賜杯は、綱とりのチケットとなる。「(今場所)2敗してますから。悔しさが自分の活力」とあくまで挑戦者として、番付の頂点を目指す。

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