巨人が掲げた「育成と発掘」…その先を進んでいたソフトバンク 主力の故障と誤算を敗因にしない本物の強さ

2020年11月23日 11時12分

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5回表1死一塁、栗原がこの試合2安打目となる右前打を放つ

5回表1死一塁、栗原がこの試合2安打目となる右前打を放つ

  • 5回表1死一塁、栗原がこの試合2安打目となる右前打を放つ

渋谷真コラム・龍の背に乗って【日本S特別編】

◇22日 SMBC日本シリーズ第2戦 巨人2―13ソフトバンク(京セラドーム大阪)
 6回に満塁のピンチを断ち切ったソフトバンクは、直後の7回にデスパイネがとどめの満塁弾を右中間席に運んだ。
 巨人を蹴散らし、4年連続日本一に突き進むチームは投打に盤石。豊富な資金力にモノを言わせ、補強を重ね…。ビッグクラブなのは間違いないが、このチームの強さはそれだけではない。石川、甲斐のバッテリーに盗塁王の周東。先発メンバーに3人の育成出身選手が並ぶ。巨人が掲げた「育成と発掘」の先を、ソフトバンクは進んでいた。
 しかし、誤算と故障者に泣かされたシーズンだった。エースの千賀はコンディション不良に苦しみ、6月の開幕に間に合わなかった。昨季65試合に投げた甲斐野は、右肘を痛めて登板できぬまま閉幕。故障禍はポストシーズンになっても収まらず、先発陣の一角を担う東浜が右肩痛で40人のロースターを外れた。
 野手では新型コロナ感染者を出しただけでなく、大誤算に見舞われた。この日、そろって本塁打を放ったグラシアルとデスパイネは、コロナ禍のためキューバから出国できず、ようやく1軍に合流できたのは8月になってからだった。
 チームの窮地を肥やしにし、大きな芽を出した選手がいる。2試合で8打数7安打。MVPの有力候補の栗原だ。捕手登録ながら「2番・一塁」で開幕スタメンに名を連ねたのは、主力に故障と誤算が相次いだからだ。打率は2割4分3厘だが17本塁打、73打点。彼はチャンスをつかみ、離さなかった。チームは数々の試練をはね返し、3年ぶりにペナントを奪回した。
 目利きのスカウト。他を圧倒する施設。実戦の場を与える環境。豊かな土壌から、千賀、甲斐、石川、周東は育ってきた。そして栗原。年俸1000万円の成長物語は、本物の強さは誤算を敗因にはしないことを教えてくれる。

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