メルケル独首相の「保守」とは 熊倉逸男・論説委員が聞く

2020年11月23日 05時00分 (11月23日 05時00分更新) 会員限定
板橋拓己さん

板橋拓己さん

  • 板橋拓己さん
  • コラージュ・赤塚千賀子  
 ドイツのメルケル首相が所属する政権政党、キリスト教民主同盟(CDU)は、日本の自民党のような保守の王道を行く国民政党です。しかし、メルケル氏の政策は脱原発や環境重視、難民への寛容政策など、自民党とはずいぶん違った色合いです。背景について、ドイツ政治に詳しい成蹊大の板橋拓己教授とともに考えました。
 熊倉 脱原発や寛容政策を進めるメルケル氏の保守主義の特徴は何でしょうか。
 板橋 彼女はCDUの歴史の中でも三重の意味で異色の指導者です。第一に旧東ドイツ育ちであること、第二に女性であること、第三に物理学者であること。首相就任当初は何を考えているか、よく分からない政治家でした。最初は(競争原理を重視する)新自由主義を掲げていたのですが、人気がないと悟ると撤回。以後、きわめて慎重で、ドイツの世論を見てかじを切る指導スタイルになります。その姿勢は脱原発政策などに表れています。
 ただ、政権後半では人権などで頑固な面を見せるようになりました。上限なしで難民を受け入れようとした政策などがそうです。トランプ米大統領に対する姿勢にも、それが表れています。
 熊倉 しかし、メルケル氏ひとりでは政治は進みません。...

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