子どもの貧困 現状発信を 浜松で講演会

2020年11月22日 05時00分 (11月22日 05時00分更新)
来場者の質問に答える阿部彩教授(モニター画面左)=浜松市中区で

来場者の質問に答える阿部彩教授(モニター画面左)=浜松市中区で

  • 来場者の質問に答える阿部彩教授(モニター画面左)=浜松市中区で
 浜松市中区の市地域情報センターで二十日、東京都立大人文社会学部の阿部彩教授(貧困・格差論、社会保障論)によるオンライン講演会「子どもの貧困 コロナ前と後」があった。直接会場に来た人やビデオ会議システムZoom(ズーム)の参加者約七十人が、新型コロナ禍前後の貧困の状況を、統計などに基づきながら知識を深めた。
 地域の子どもを支援する活動について正しく理解し、偏見をなくしてもらおうと市が主催した。阿部教授は都内からズームで講演した。
 阿部教授は厚生労働省の「二〇一九年国民生活基礎調査」の結果から、子どもの相対的貧困率は13・5%になると紹介。その貧困が学力や体力に影響し、結果的に自己肯定感の低下や社会システムからの脱落を招く「社会的排除」につながってしまうと解説した。
 続けて、新型コロナ感染拡大の影響で、低所得の世帯はさらに打撃を受けていると説明。貧困の現場で働いている人たちが、現状を積極的に発信し地方自治体の政策に影響を与えていく姿勢が大切だとまとめた。
 講演の後半では、無料の学習塾を運営している男性が、貧困の子どもにも集まってもらうにはどうすればよいかと質問。阿部教授は「子どもの楽しめるイベントを開き、関係を築いてから勉強に誘導していくのはどうか」とアドバイスした。
 聴講した「ふれあい子ども食堂もも」(同市南区)を運営している鵜飼愛子さん(76)は「自分から積極的に貧困の子どもを呼ぶことは難しい。地域でどこまで支援することができるのか、これからも試行錯誤したい」と話した。 (山手涼馬)

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