<EYES> ZIP-FMナビゲーター 荒戸完さん 仲直りの言葉

2020年11月19日 05時00分 (11月19日 10時11分更新)
 高校生の彼は悩んでいた。「部活の帰りに、僕の自分勝手な物言いが原因で友達とけんかになり、3週間ほど言葉をかわしていない」という。一番の仲良しで、なんでも相談できるいい友達だそうだ。早く仲直りしたい気持ちはあっても、なんと声をかけていいか分からずに困っているという。彼は、すぐに仲直りできる魔法のような言葉を探している。
 人類の歴史をさかのぼれば、破壊と再生の繰り返しだ。けんかと仲直りは、まさにそれである。気に入らないことを否定したり、自分の考えを押し通そうとしたりすることで、けんかは始まる。つまりは仲良しという調和を破壊することになる。その恐れがあるのなら何か言葉を発する前に慎重に吟味する必要がある。
 そして、乱れた調和を再生しようとするとき最も大切なのは、相手の心に自分がどう映るか。つまり言葉というよりも気持ちが伝わる態度である。これはイメージだが、喜怒哀楽をはじめとする人間の感情は粒子となって体から放出される。そして、それを感知するセンサーのような器官もある。本当に心からの謝罪の気持ちがあるのかどうか、人は体で感じることができるのだ。ちなみにそのセンサーの精度には個人差がある。
 今、彼は猛省している。私に仲直りの相談を送ってくる行為そのものが、何よりの証拠だ。この場合、後悔と謝意の粒子をまとったその体で「この間はすまん。俺が悪かった」と伝えるだけでいい。紙パックのジュースを添えれば100点だ。なんでも相談してきたその友達なら、分かってくれるはず。きっと相手のセンサーは優秀なはずだ。
 彼にはこの曲を贈る。1曲丸ごと和訳すると、英語の勉強になり、友情も育むことができる名曲だ。Bruno Mars「Count On Me」。

関連キーワード

PR情報

EYESの新着

記事一覧