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コロナ受容体 プロピオン酸で減 感染率低下の可能性 

2020年11月18日 05時00分 (11月18日 09時43分更新)

研究成果を説明する高林講師(右)、藤枝教授=17日、福井市の福井大文京キャンパスで(蓮覚寺宏絵撮影)

 福井大チームが発見 

 体内で新型コロナウイルスと結合して取り込む受容体となるタンパク質を、脂肪酸の一種「プロピオン酸」が減らすことを、福井大の高林哲司(てつじ)講師らの研究チームが発見した。新薬に応用されれば、新型コロナの感染率を下げたり、重症化しにくくしたりする効果が期待される。(籔下千晶)
 新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」と、鼻や気管の細胞にあるタンパク質「ACE2」が結合し、ヒトが感染することは既に分かっている。ACE2の量は、糖尿病患者や喫煙者に多く、子どもは成人に比べて少ない。研究チームは、鼻の粘膜や気管の細胞に約百種類の物質を加え、ACE2にもたらす影響を調べた。
 プロピオン酸を細胞に加えたところ、加えなかった時と比べ、細胞の表面上に出現するACE2の量を半減近く抑制できることが分かった。プロピオン酸の濃度を高めるにつれて、より減らすことができることも分かった。プロピオン酸は、チーズやパンの保存料として使われ、人間の大腸内で腸内細菌によってつくられる。
 新型コロナウイルスは体内に取り込まれて増え、放出された後、再び体内に入ってさらに増え、病状の悪化につながる。プロピオン酸を活用した予防薬が開発されれば、軽症時に薬を服用してACE2を減らし、重症化を防ぐことにもつながる。
 十七日に福井大で会見した高林さんや藤枝重治教授は「企業などと協力し、実用化を目指したい」と話した。

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