私鉄2社、苦境 9月中間連結決算

2020年11月18日 05時00分 (11月18日 05時02分更新)

◆遠鉄 初の最終赤字

 遠州鉄道(浜松市中区、非上場)が十七日発表した二〇二〇年九月中間連結決算は、純損益が一億円の赤字(前年同期は十九億円の黒字)で、〇〇年に連結決算の開示を始めて以来初の最終赤字となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、スーパーと介護を除く主な事業が減収となり、特にレジャーサービスや運輸の落ち込みが大きかった。 (木造康博)
 売上高に当たる営業収益は前年同期比22・5%減の八百二十四億円。営業利益は99・9%減の百万円と辛うじて黒字だった。
 事業別の売上高は、レジャーサービスが87・5%減の五億円。舘山寺温泉(西区)で運営する「ホテル九重」を四月中旬から休館しているほか、他の二カ所も稼働率が低迷し、宿泊者数が八割減と落ち込んだ。遊園地「浜名湖パルパル」も入園者数が七割減った。
 運輸は52・7%減の三十五億円。感染防止で公共交通機関の利用を控える動きが広がり、鉄道、バスの利用者数とも三割超減った。タクシーも通院控えや出張の抑制が響き、利用回数が五割近く減少した。
 主力のリテールサービスは23・5%減の三百二十九億円。巣ごもりで食品や衛生用品の販売が伸びた遠鉄ストアは4・6%増となったが、遠鉄百貨店は臨時休館や営業時間短縮に加え、収益認識に関する会計基準を変更した影響が大きく、72・0%減となった。
 このほか、自動車販売のモビリティサービスは13・6%減の三百十億円、不動産は1・2%減の六十五億円、その他は、施設の新設で利用者が増えた介護が伸びたものの、9・5%減の七十七億円だった。
 未定だった通期予想は営業収益が前期比14・9%減の千八百四十億円、営業利益は78・3%減の十億円、純利益はゼロと見込んだ。浜松市内で記者会見した丸山晃司常務は「上期は運輸やレジャーが厳しい状態が続き、回復の見通しが立たなかった」と述べた。ホテル九重は需要の回復を待って再開するとした。

◆静鉄 17年ぶり赤字

 静岡鉄道(静岡市葵区、非上場)が発表した二〇二〇年九月中間連結決算は、売上高が前年同期比15・8%減の七百七億円、純損益が三十二億円の赤字(前年同期は八億円の黒字)だった。減収は七年ぶり、最終赤字は十七年ぶり。新型コロナウイルスの影響で主な事業が軒並み落ち込んだ。
 事業別の売上高は交通が33・8%減の五十二億円。鉄道、バスともに利用者が三割減ったことが響いた。レジャー・サービスは32・5%減の二十六億円。ビジネスホテル三店舗を四〜五月に休業したほか、旅行代理店の売り上げが前年同期の一割に落ち込んだ。
 自動車販売は17・4%減の三百三十億円。トヨタ自動車の工場の操業停止や引き渡しの延期で新車販売台数が二割減った。不動産は31・9%減の三十六億円。商業施設「新静岡セノバ」の臨時休館や、分譲マンション、住宅の引き渡し戸数の減少が響いた。
 一方、流通は、食堂や売店が臨時休業の影響を受けたものの、巣ごもり需要でスーパーが3・4%増え、全体では3・8%減の二百四十五億円に抑えられた。 (木造康博)

関連キーワード

PR情報