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天浜線 二俣本町駅ホテル

2020年11月16日 12時22分 (11月16日 12時22分更新)
静かな住宅街に面した駅舎ホテル=天浜線二俣本町駅で

静かな住宅街に面した駅舎ホテル=天浜線二俣本町駅で

  • 静かな住宅街に面した駅舎ホテル=天浜線二俣本町駅で
  • 「ほぼオール浜松」のモダンデザインで統一された室内=天浜線二俣本町駅で
  • 糸井重里さん
  • 南拡大朗記者(天竜通信部)

◆糸井重里さんが来た!?

 糸井重里さんが来たらしい−。夏の終わりごろ、浜松市天竜区のごく一部でこんなことが話題になっていた。だが姿を見たという人は聞かない。有名コピーライターが“お忍び”までして訪ねたのは、天竜浜名湖鉄道・二俣本町駅(天竜区二俣町)にあるこだわりの宿「駅舎ホテル インマイライフ」を見るためだった。
 無人駅の二俣本町駅は静かな住宅街に面し、反対側は緑に覆われた山だ。何も知らずに通り過ぎれば、この平屋の駅舎が宿泊施設になっているとはまず気付かないだろう。まだ開業して一年半で、宿泊は一日一組限定。のんびりやっているのだろうと思いきや…。
 「八月の稼働は九割でした。もう洗濯が間に合わないくらい忙しくて」。経営する中谷明史(なかたにあきひと)さん(30)からそう教えてもらった時、思わず聞き直すくらい驚いてしまった。しかも国の「Go To トラベル」には登録していないという。
 中を見せてもらった。白と木目を基調としたモダンデザインで統一されていて、ドア一枚を隔ててまるで別世界だ。約三十七平方メートルのワンルーム。職人さんが手で塗った土壁から、調度品、トイレや浴槽まで凝りに凝っている。デザイナーを含めて「ほぼオール浜松」の力を結集したのだとか。
 室内は列車の音、通学の高校生の話し声が柔らかく響いてきて心地よい。「一日中読書してもいいし、夜はホームに出てワインを飲んでもいいし、まちに出て地元の人とも出会ってほしい」と中谷さん。おしゃれな空間なのに威圧感がないのがまた素晴らしい。造った人の人間性だろう。
 八月末、糸井さんがツイッターで「無人駅の駅長室をリノベーションした部屋に泊まる(バスルームもあるんだね)なんて、考えた人も実際につくった人もすごい」と投稿。天浜鉄道の公式アカウントが「中はこんな感じ」と写真を返信した。数日後、糸井さんが駅のホームの写真を投稿し、実際に見に来たことを示した。コロナ禍を案じ、誰とも話さずにすぐ帰ったようだ。
 糸井さんのツイッターを見た時、中谷さんは跳び上がらんばかりに喜んでいた。やり手なのに、意外とかわいらしいところもある。五年前に東京から故郷に戻り、商店街で飲食店「山ノ舎(いえ)」を営むなど観光関係を中心に手広く事業を手掛ける。人口減少が続く天竜区で活性化のキーパーソンの一人として、すでに地元では非常に有名。私が他の店に初めて行く時でも、中谷さんに聞いてきたと伝えればだいたいは歓迎される。
 「人が減ったなら呼んでくればいい。天竜は競争相手も少なく、いろんな可能性があります」。大変頼もしい言葉だ。
     ◇
 ホテルは一人での宿泊は一万三千円。二人以上は一部屋で二万五千円(十二〜二月は一万八千円)。大人二人と子ども二人まで宿泊できる。(問)0539(25)1720

南拡大朗記者(天竜通信部)

 非常にルーズな性格のため、泊まる土地を決めずによく一人旅をしていました。20代で千葉県のJR外房線に乗った時には、あまり観光地ではない土地の民宿に予約なしに一人で訪ね、そこの奥さんの不審そうな顔が忘れられません。
 いい大人になった今、無軌道な行動で人に迷惑を掛けられません。反省。

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