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<ユースク>持続化給付金なぜこないの 9月に申請「音沙汰ない」

2020年11月16日 05時00分 (11月16日 05時01分更新)
持続化給付金申請のホームページ

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で減収になった事業者へ国が支給する「持続化給付金」を巡り、「九月初めに申請したが、音沙汰がない」という投稿が「Your Scoop〜みんなの取材班(ユースク)」に寄せられた。調べてみると、相次ぐ不正受給で審査が厳格化され、本来は二週間ほどの審査期間が一部で長期化している実態が分かった。 (石井宏樹)
 投稿の主は東海地方で活動する四十代の写真家。コロナ禍で結婚式や学校行事などでの仕事がキャンセルとなり、八月にほぼ無収入に。九月初めに持続化給付金を申請したが、今も支給されていないという。
 給付金事務局に手続きの不備を指摘されたため、修正したのが九月下旬。しかし、その後はコールセンターからは「待ってください」、申請のサポート会場では「(手続きに)ミスはないはずなんですが…」と言われてしまった。
 仕事場は自宅で、収入のある家族もおり、すぐには困窮しない。だが「仕事面は不安だらけ。早く支給してもらいたい」とこぼす。
 国は手続きに誤りがなければ申請から給付まで原則、二週間程度としている。中小企業庁によると十五日以上かかったのは全体の32%(九月末現在)で、長期化の割合自体は制度開始以来、大きく変わっていない。
 一方で、担当者は「不正受給の詐欺事件で審査を厳格化している」とし、支給まで一カ月以上かかる事例が出ていることを認めた。
 警察と情報交換するなどし、不正受給が疑わしいパターンを分析しているという。「(読者の申請が)直ちに判断できないカテゴリーに入ってしまっている可能性がある」と説明。ただ、審査が長期化する具体的な基準は明言しなかった。
 不正受給の問題に詳しく、動画投稿サイト・ユーチューブで税や給付金に関するチャンネルも開設している田淵宏明税理士は「学生などが架空の事業をでっち上げて確定申告をしたケースが多かった」と解説。(1)昨年度に確定申告を初めてした(新規開業した)(2)大学生の可能性が高い二十代前後(3)店舗やオフィスがない−などの条件に当てはまると、審査が厳しくなる可能性があると推察する。
 また、売り上げや経費が端数のない数字ばかりだったり、利益率などが業種の相場から懸け離れている場合に疑いは強まるとみる。
 読者のケースは(3)に該当するほか、十月末になって事務局から今度は一昨年の確定申告書の追加提出を求められたことがあり、事業の継続性などに疑義を持たれた可能性もある。読者は「疑われているのかもしれないが、何の説明もないまま、こんなに待たされたらしんどい」と嘆息する。
 田淵税理士は「給付金制度は全体としては使い勝手がいいが、一部の人の不正受給で、コロナに苦しみながら、真面目に働く人が影響を受けないように国は配慮してほしい」と話す。

 持続化給付金 新型コロナウイルスの影響を受けた個人、中小事業主を対象に最大で個人に100万円、企業に200万円を支給する制度。1月以降、前年同月比で事業収入が50%以上減った月があることなどが条件。迅速な支給のため手続きは簡素化され、インターネットで今年の収入を自己申告し、確定申告書などの写しを添付し申請する。経済産業省によると、これまでに約5兆円を支給。一方で不正受給する詐欺事件が相次いで摘発され、返還の相談も増加している。


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