上高地苦境、来季こそ再生を 入り込み者数、例年の3割
2020年11月16日 05時00分 (11月16日 05時00分更新)
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新型コロナウイルス、群発地震、大雨、クマ被害−。県内有数の景勝地で、例年は百万人以上が訪れる松本市安曇の上高地は、未曽有のシーズンを終えた。市山岳観光課によると、今季の入り込み者数は秋に回復を見せたが三十七万七千三百人(四〜十月)で、例年の三割ほど。十五日には河童橋近くで閉山式があり、関係者は来季に向けて新型コロナの収束を願った。 (大塚涼矢)
上高地の入り込み者数は過去五年間、登山やハイキングブームもあって百十七万人ほどで推移してきた。市などは日本の大自然を満喫する外国人観光客の誘致にも力を入れ、昨年はここ八年間で最多の一万四千人が宿泊。全宿泊者の一割を占めていた。
ところが新型コロナで各国の渡航が制限されるなど、今季は十月までの外国人宿泊者数はわずか百八十七人。「中の湯温泉旅館」社長で上高地観光旅館組合長の小林清二さん(66)は「今年は五輪イヤーで外国人の宿泊増も見込んでいたが…」と肩を落とす。
本来は四月下旬にシーズンを迎える上高地だが、今年は国の緊急事態宣言などで多くの宿泊施設や売店などが開業を五月以降に遅らせた。上高地一帯の宿泊者数(四〜十月)は、前年同期比52%減の六万四...
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