「大谷世代」の元中日・若松駿太はあきらめない…海外リーグからのNPB復帰を視野にBC栃木を退団

2020年11月13日 12時36分

このエントリーをはてなブックマークに追加
独立リーグの栃木を退団した若松駿太

独立リーグの栃木を退団した若松駿太

  • 独立リーグの栃木を退団した若松駿太

[ヘンリー鈴木のスポーツ方丈記]


 今の日本スポーツ界には「大谷世代」と呼ばれる最強世代の一群がいます。大リーグのエンゼルスに所属する大谷翔平を筆頭に1994年度に生まれた世代を指し、プロ野球なら阪神・藤浪晋太郎、広島・鈴木誠也、DeNA・佐野恵太、巨人・吉川尚輝ら、そうそうたる顔ぶれ。ドラゴンズにも柳裕也、京田陽太、武田健吾、溝脇隼人らが在籍しています。
 25~26歳は、まさにアスリートとして働き盛り。そのような世代にあって5年前にドラゴンズで10勝4敗、防御率2・12の成績を挙げ、大谷、藤浪と並ぶ「大谷世代の三羽ガラス」と呼ばれたのが若松駿太です。ドラフト7位で指名された高卒選手としては、まさに異例の出世頭でした。
 そんな若松の名前が10月下旬、独立リーグ(ルートインBCリーグ)の栃木ゴールデンブレーブスのホームページに「退団選手」として掲示されました。
 「栃木ゴールデンブレーブスではチームの環境や、ファンの皆さまに恵まれ、本当に感謝しかありません。まだ野球は続けていく予定なので、別のチームになっても応援して頂けると嬉しいです」
 若松の言葉に「NPB(日本野球機構)球団への復帰をあきらめないという気持ちは本物」という思いを強くしました。
 在籍2年目の栃木を今季限りで退団する意向を彼から聞いたのは、7月でした。ドラゴンズで2ケタ勝利を挙げた翌年から不振や右肩痛のため満足する成績を挙げられず、18年を限りに戦力外通告となって栃木へ。昨年11月には2度目の12球団トライアウトに挑戦したが、NPB球団から声が掛かることはありませんでした。
 トライアウト参加は「2回まで」と、昨年から規則が変更されています。それでも若松はNPB復帰に向けた別の道を探りました。それが海外リーグへの移籍です。
 「例えば米国に渡ってマイナーリーグで投げて認められれば、日本に戻って投げることもできるかもしれない」
 ここまでNPB復帰にこだわるのは、昨年6月に結婚して「生活をしていかなければならない」という思い。そして何よりも、野球を続けたい自分を理解してくれる妻の支えに応えたいという気持ちがあります。
 今は球速も140キロを超え、右肩を痛める前の状態に戻りつつあるといいます。コロナ禍での海外リーグ挑戦には、さまざまな困難が待ち受けているでしょう。それでも、まだ25歳。ドラフト7位からはい上がった”雑草”の強さがあれば、再びミラクルボーイとなる日が来るかもしれない。その時を期待し、応援していきたいと思います。
 ◆ヘンリー鈴木(鈴木遍理) 東京中日スポーツ報道部長、東京新聞運動部長などを経て現東京中日スポーツ編集委員。これまでドラゴンズ、東京ヤクルトスワローズ、大リーグ、名古屋グランパス、ゴルフ、五輪などを担当。
PR情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ