斬新な集会で投票喚起 富山知事選 新田さん「参謀」 松田馨さんに聞く

2020年11月8日 05時00分 (11月9日 09時55分更新)
富山県知事選の告示5日前に開かれた新田陣営の総決起集会。スモークやスポットライトを使った華やかな演出が注目を集めた=富山市内で

富山県知事選の告示5日前に開かれた新田陣営の総決起集会。スモークやスポットライトを使った華やかな演出が注目を集めた=富山市内で

  • 富山県知事選の告示5日前に開かれた新田陣営の総決起集会。スモークやスポットライトを使った華やかな演出が注目を集めた=富山市内で
  • 松田 馨さん

演出 米大統領選イメージ

 富山県知事選で初当選した新人の新田八朗さん(62)は、9日に新知事に就任する。選挙戦では、ライトアップした総決起集会を開くなど斬新な選挙手法で有権者の注目を集め、これまで知事選に関心のなかった人たちへ訴えが届くよう工夫をこらした。参謀役として新田陣営に助言した選挙プランナーの松田馨さん(40)に狙いなどを聞いた。(聞き手・長森謙介)
 −知事選の結果をどう評価する。
 「十四年この仕事をやっていて、投票率が前回より25ポイントも上昇したのは初めて。候補の力と陣営の熱意と活動量のたまもの。感動した」
 −仕事を受けた経緯は。
 「最初に対面したのが昨年十一月。『自民党県連が現職以外を推薦することはまずない。厳しい選挙になる』と伝えた。知事選は選挙区が広く有権者数も多いため、知名度のある現職が有利。普通に考えたら勝てない選挙だった」
 −どんな助言を。
 「当選に向け、不可欠なのが正確な情勢分析だ。大規模な独自調査を五回実施し各地域で支持率や関心がある政策、知名度などを調べた。それらを分析し、仮説を立て、戦略を練った。当然最初は知名度がないので、のぼり旗やポスターなど公職選挙法で認められていて、過去の選挙で効果があったものを取り入れた」
 −富山の地域性を踏まえた戦略は。
 「富山は有権者に占める自民党員率が圧倒的に高い。自民党の一部は新田さんを応援しているという印象が必要で、保守分裂の形にこだわった。現職側が票を固める選挙を展開するのに対し、これまで知事選に関心がなかった人への訴求を心がけた」
 −有権者の関心を集めるため、ライトアップやスモークを使った告示前の総決起集会には批判も出た。
 「総決起集会は、僕が四年前に現地で見た米国の大統領選をイメージした。選挙に関心がなかった人に『今までの選挙と違う、投票に行ってみよう』と思わせる試みだった」
 −新田陣営の勝因は。
 「新田さんの覚悟だ。(保守系候補の)一本化の圧力にも屈せず、県内を五十周以上も回り、ミニ集会も辻(つじ)立ちも二百回以上やった」
 −選挙プランナーの仕事とは。
 「候補者の当選に資することと、陣営から違反者を出さないことだ。選挙に携わってお金を稼ぐことに、ダーティーな印象を持つ人もいるが、私個人の根底にあるのは、選挙をもっと開かれた自由なものにしたい、との思い。選挙は住民が地域への関心を高める大切な機会。富山県は一夜にしてこれまでの常識が崩れた。県民の皆さんには、一人一人の一票の力が大きいということを伝えたかった」

【プロフィール】まつだ・かおる=一九八〇(昭和五十五)年生まれ。広島県出身、京都精華大人文学部卒。二〇〇六年の滋賀県知事選で現職を破った嘉田由紀子陣営に参加し、選挙に携わるようになった。〇八年、選挙コンサルティングの専門会社「ダイアログ」(東京)を設立。これまでに約二百三十件の選挙に関わり、七割以上を勝利に導いてきた。


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