【石川】発電+農業 エコ好循環 故郷珠洲の畑でスタート、普及へ

2020年11月7日 05時00分 (11月7日 10時03分更新)
山あいの畑に設置された248枚のソーラーパネル=石川県珠洲市大谷町で

山あいの畑に設置された248枚のソーラーパネル=石川県珠洲市大谷町で

  • 山あいの畑に設置された248枚のソーラーパネル=石川県珠洲市大谷町で
  • 畑で栽培したケールを手に「営農型発電を普及させ持続可能な社会を実現したい」と話す丸山輝也さん=石川県珠洲市大谷町で

東京の丸山さん 事業化

 東京と故郷の石川県珠洲市大谷町で2拠点生活を続ける丸山輝也(てるなり)さん(34)は今年から、大谷町の実家近くで、畑に設けた太陽光発電パネルの下で作物を栽培する「営農型発電」(ソーラーシェアリング)を始めた。土地を有効活用しながら農業と売電の両面で収入が得られる。太陽光発電機器の販売会社も設立し「地方でも食料と電力が自給自足できる持続可能な社会を実現したい」と普及を目指す。(加藤豊大)
 営農型発電の場所は、大谷町の山あいの九百平方メートルほどの畑。高さ四メートルの太陽光発電パネル二百四十八枚が屋根のように覆う中、首都圏などに出荷する野菜のケールが青々と育つ。試算では、一時間あたり約七十九キロワットを発電でき、継続運用で一般家庭約二十世帯分をまかなえる。
 一般的な個人向けの営農型発電では、機器の導入コストは五百万〜千五百万円ほどで、電力会社に売電することで月々少なくとも数万円以上が得られるという。丸山さんは「農家にとっては収穫時期以外でも安定的な収入が得られる。電動農機具に活用すればガソリンなどの燃料が必要なくなり、蓄電池も導入すれば電気を持ち運んで災害時などにも利用できる」とメリットを説明する。
 丸山さんは地元の飯田高校を卒業し京都産業大に進学。東京の商社に就職後、二〇一二年からドイツの太陽光発電パネルメーカーの日本法人に勤務した。昨年六月に営農型発電の普及を目指し「SUZU(スズ)合同会社」を設け、メーカーを退職。本店を東京都新宿区、支店を珠洲市大谷町に設け、二拠点から全国を飛び回り各地で導入を進める。
 農林水産省によると、営農型発電は一九年三月末現在、全国で千九百九十二件の導入例がある一方、県内では三件にとどまる。丸山さんは「地方で食料と電力を地産地消する生活を可能にすることで、東京一極集中ではない若者の新しい生き方や働き方も生み出せるはず。能登や県内はもちろん各地に広げたい」と語った。問い合わせはSUZU合同会社=電090(2372)1220=へ。

関連キーワード

PR情報

みんなしあわせSDGsの新着

記事一覧