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どうみても鶴竜は限界…日本国籍取得しだいと言わず温情をもって引退を認めてやってはどうか【北の富士コラム】

2020年11月6日 20時29分

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鶴竜

鶴竜

◇8日初日 大相撲11月場所展望
 令和2年最後の場所が始まる。「待ってました」と言いたいところだが、どうもそんな気持ちになれない。予想どおりと言うべきか、両横綱の休場が決まった。横審のきついお達しにもかかわらずである。
 鶴竜のコメントを聞くと「腰が悪いのだから仕方がないだろう」と言わんばかりである。居直りともとれる発言ではあるが、少しだけ気持ちがわかるような気がする。おそらく鶴竜本人は限界を感じているし、できることなら今にでも引退したいと思っているはずである。
 しかし、日本国籍が取得できていないので、辞めるに辞められない状態と思われる。「横綱、大関は休場が許されるから、いい身分だ」と皮肉られるが、休場が2、3場所も続くと針のむしろの心境である。少なくとも私はそうだった。中には休場ずれして当然のように休む力士がいたかもしれないが、鶴竜に限っては、そんな不届きな力士ではないと思っている。
 聞くところによると、国籍を取得しだい、引退したいと考えているらしい。それが本当なら気の毒なことである。協会の規定では、日本国籍のない者は、年寄になれないとあるが、温情をもって引退を認めてやってはどうだろう。どうみても鶴竜は限界である。
 「また余計なことを」と協会に叱られそうだが、この数年の横綱、大関陣の休場の多さには、うんざりしていることも事実である。横綱、大関が不振の時は、いつも横審の先生方にばかり苦情を言わせて、協会は、われ関せずである。私たちの時代は不振が続いたり、休場が続くと、協会に呼ばれ、小言のひとつでも言われたものである。
 ところで、白鵬も休場である。6日間の合同稽古では、正代や御嶽海相手に元気いっぱいだと聞いていたが、膝が完治していないらしく、あっさり休場してしまった。自分の体は自分しかわからないと言うが、こうもすんなり休まれては、鼻白む思いである。
 鶴竜の休場は、早くから予想されていたし、普通なら「よし俺が」と思うところだが、「じゃ俺も」と休んでしまった。稽古では、今売り出し中の正代を赤子扱いするほどの強さをみせながら休場した白鵬は立派と言うべきか。横綱として無責任と言うべきか。複雑な思いがしてならない。
 「義を見せざるは勇なきなり」とばかり、私が現役なら意気がって出場していたと思う。このあたりが白鵬と凡人の違うところなのだろう。大事を取り、来年のオリンピックまでは何としても現役を続ける強い信念を感じるのだが、俺はあまり好きじゃない。どうぞお気の済むまで現役を続けるが良い。
 それでは、少しだけ今場所を展望してみましょう。場所前に6日間だけ、合同稽古があった。私も久しぶりに関取衆の稽古を楽しみにしていたが、初日に集まった力士が、たったの8人だけ。幕内、十両で約70人で、この数字を聞き、耳を疑ってしまった。力士会の要請で始まった稽古らしいが、コロナを理由に来なかったようだ。中には親方がストップをかけた部屋もあると聞いた。
 正代と貴景勝は参加したが、朝乃山は一日も顔を出さずじまいだったらしい。その後の稽古状態は全く不明。朝乃山は部屋で若い者相手に終始したようである。新聞では、朝乃山は「いい稽古ができて、調子は良い」とコメントしている。恐ろしい自信である。幕下相手の稽古で優勝を狙い、横綱になろうとしているのだから大したものだ。
 正代は白鵬に手も足もでなくても、これまた絶好調らしい。これでは、とても優勝予想はできません。誰にでもチャンスはあると言えば間違いはない。しばらく大関の優勝が見られなかったので、今場所こそは大関に頑張ってもらいたい。もし優勝できなかったら責任問題である。
 今場所はお客さんも多くなるので、ぶざまな相撲は見せてはいけません。3人の大関には、しっかり土俵を締めてもらいたい。それから、翔猿、炎鵬ら小兵力士には、大いに土俵狭しと暴れてほしいものだ。それでは各力士の健闘を祈る。(元横綱)
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