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0秒01で決まる天国と地獄 競泳、陸上…世界の舞台での悲喜こもごも

2019年8月9日 18時00分

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世界水泳男子100メートルバタフライ準決勝で全体9位、0秒01差で決勝進出を逃した水沼尚輝=7月26日、韓国・光州で(沢田将人撮影)

世界水泳男子100メートルバタフライ準決勝で全体9位、0秒01差で決勝進出を逃した水沼尚輝=7月26日、韓国・光州で(沢田将人撮影)

水泳(競泳)と陸上という記録競技を担当している立場上、秒、センチどころかゼロコンマ1秒、ミリ単位の争い、悲喜こもごもに接する機会が多い。7月に行われた水泳の世界選手権もそうだった。
男子100メートルバタフライ準決勝、初代表となった水沼尚輝(22)=新潟医療福祉大職=は51秒71で全体の9番目。決勝に進出できるのは8人までだが、8番目は51秒70。わずか0秒01でファイナリストの座を逃し「やっぱり世界の舞台はコンマいくつの差で勝負がついてしまうのだと実感した」と悔しさをにじませた。
普段の取材では水泳を始めたきっかけについて「小さいときから祖父母の家の池でコイと一緒に泳いでいた」と明かしたり、代表になったご褒美として「銀座ですしを食べた」などのエピソードを披露してくれる。今大会でも憧れのルクロス(南アメリカ)と泳ぎ「決勝でしゃべるのを目標としていたので、今回の結果ではそんな待遇ではない」と殊勝さを見せたかと思いきや「せっかくなので、タイミングが合えば写真を撮りたい」と言うなどして笑わせてくれる。そんな好青年も0秒01という差には「来年0秒01差で4位とかにならないよう、悔しさをトレーニングにつなげたい」と気を引き締める。
日常生活で0秒01速い、遅いが何かに影響することはほぼないだろう。100分の1秒まで計測することで、ある意味残酷な結末を目の当たりにするのはこのスポーツの宿命だ。だが日常生活では意識できない0秒01という数字で成長を知り、天国を味わえるのも記録競技ならではの魅力だ。0秒01の重みを実感した水沼の飛躍が楽しみだ。(川村庸介)

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