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遠回りした主将だからこそ、総決算へのたぎる思い 中部大野球部 武市啓志

2019年9月23日 18時00分

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大学野球ラストシーズンでの完全燃焼を誓う中部大の武市啓志主将

大学野球ラストシーズンでの完全燃焼を誓う中部大の武市啓志主将

 季節は秋。愛知大学野球(中日スポーツ後援)は秋季リーグ戦が中盤戦に突入した。4年生にとって大学での総決算となるシーズン。並々ならぬ思いで打席に立つ男がいる。中部大の主将・武市啓志外野手(豊川)だ。
 「今は自分のイメージ通りにバットを振れています。これからは気持ちの勝負。がむしゃらに泥くさく勝ちにこだわります」。4年生は秋のシーズンを前に引退する選手も多いが、武市は今季も出場。16日の愛院大戦で豪快な本塁打を放った。「最後まで野球をやり切りたいんです」。こう語る男の胸には忘れられない一つの記憶がある。
 愛知・豊川高時代は2014年のセンバツ4強入りに貢献。卒業後は名古屋外大に進み、野球には一度別れを告げたはずだった。しかし、同級生が1年生から活躍しているのを見て、別の気持ちがわき上がってきた。「もう一度、本気で野球をしたい…」。そして、中部大に再入学。そのころの心境をこう振り返る。
 「自分は野球が相当好きなんだと思いました。一度離れたことで、野球への情熱を誰よりも持っていることに気付いたんです」。遠回りした分、妥協することはできなかった。強い思いは主将になっても同じ。昨秋、就任を告げられた時には自然と大粒の涙がほおを伝った。ナインには常に厳しいことを言い続けた。野球に対する姿勢や心構えだけではなく、私生活も口うるさく意見した。
 主将はある意味、嫌われ役だ。しかし、それでも構わなかった。「頑張る人間には野球の神様がほほ笑むし、頑張らない人間はいつか落とし穴にはまると思うんです」。この完全燃焼したいという思いに仲間はついてきた。部全体を「チーム武市」と言うようになり、春季リーグ戦で苦しみながら放った初安打を見ると、ベンチ入りした全員がガッツポーズした。
 「相当きついことも言ったけど、みんな受け止めてくれました」。武市は大学で野球に一区切りをつける。だからこそ、最後に立つ舞台は神宮と決めている。「後輩に何かを残さないといけないですから」。きさくな性格から報道陣にも人気のある武市。納得いくまでプレーしてほしいと思っている。 (川越亮太)

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