五輪で差別抗議はダメ? IOC会長「表現の自由」緩和に消極的

2020年11月5日 05時00分 (11月5日 05時01分更新) 会員限定
8月、再開されたNBAで、試合前の国歌が流れる中、膝をつくロケッツの選手ら=米オーランド近郊で(ゲッティ・共同)

8月、再開されたNBAで、試合前の国歌が流れる中、膝をつくロケッツの選手ら=米オーランド近郊で(ゲッティ・共同)

  • 8月、再開されたNBAで、試合前の国歌が流れる中、膝をつくロケッツの選手ら=米オーランド近郊で(ゲッティ・共同)
 五輪での政治や人種、宗教に関する主張を禁じた五輪憲章について、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「五輪は政治ではない」として、見直しに消極的な見解を発表した。人種差別反対運動のスポーツ界への広がりに対するけん制とみられるが、「平和の祭典」での人権問題への意思表明が、なぜいけないのか。 (中沢佳子)
 「全ての人が互いを尊重し、連帯感を示してこそ五輪の団結力が発揮される。そうでなければ、大会はあらゆる抗議行動の見本市になり、世界を分断する」。十月二十七日、バッハ会長は「スポーツと政治」と題する見解で、そう訴えた。
 IOCはスポーツの政治的利用を警戒してきた。五輪憲章五〇条では、競技会場などでの政治的、宗教的、人種的な宣言活動を禁じている。一九六八年メキシコ大会の男子200メートルでは、表彰台で米国選手二人が黒い手袋の拳を突き上げて人種差別に抗議し、大会から追放された。今年一月には具体例として、人種差別への抗議で選手が片膝をつく行為を挙げ、政治的なメッセージの掲示やジェスチャーなどを認めないとした。
 だが現在、五月に米国で起きた黒人男性暴行死事件を機に「ブラック・ライブズ・マタ...

中日新聞読者の方は、無料の会員登録で、この記事の続きが読めます。

※中日新聞読者には、中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井の定期読者が含まれます。

関連キーワード

PR情報

特報の新着

記事一覧