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吉見一起と菅野智之の新フォームに共通する「横と縦のコルク」 準備、自負、そして”鴻江塾”…2人の右腕はいくつもの糸でつながっている

2020年5月7日 18時00分

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マスク着用で練習する中日・吉見

マスク着用で練習する中日・吉見

 3月24日の中日―巨人の練習試合(ナゴヤドーム)。先発は中日・吉見と巨人・菅野。無観客の練習試合とは言え、この2人が同時にマウンドに上がるのを個人的に楽しみにしていた。
 菅野は1月の自主トレで師事した鴻江寿治トレーナーのもと、腕から始動する新フォームを導入した。ここまでの登板で「体重移動がスムーズになった」と手応えを口にしている。一方の吉見も毎年のように福岡で開催される『鴻江塾』に参加していた。現在は巨人担当の記者もドラ番時代、取材に行ったことがある。茶畑ランから始まり夜遅くまで動作解析が続く。朝から晩まで野球のことだけ考える日々。いまの背番号19の礎となる場所だ。
 吉見も昨年11月から鴻江トレーナーの助言をもとに菅野ほど大きな動きではないが、腕から始動するフォームに取り組んでいる。「横と縦のトルクを使いたいって感じです。ピッチャーとしてそういう力を使いたくなるときがあるんです」。実績のある2人の投手が同時に同じことに取り組むというのは何かの偶然か。吉見は「本当ですよね」と笑っていた。
 そして「もう後がないんで」とも言っていた。絶頂期にさらなる上積みを果敢に求める菅野とは状況が違う。2014年にトミージョン手術から復帰以降6シーズンで18勝。すべてをかけて臨むために選んだフォーム改造。さらにプレートの位置も投球スタイルも何もかも変えていた。久々に生で投げている姿を見て相当な覚悟が伺いしれた。
 菅野のピッチングには、誰も想像しえないところまで気づき、想定し、準備してマウンドにあがっているという強烈な自負を感じる。それはかつての吉見の姿でもある。吉見は「マウンドでの立ち振る舞いが良いですよね」と言っていた。球界最高峰右腕のさらなる進化と、ベテランの完全復活。そのどちらも―。今はシーズンが無事に始まることを願うばかりだ。(土屋善文)

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