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“3要素”のうち70~80%の割合で球筋に影響します

2020年1月23日 02時00分

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 今回は「ボールの飛び方を決める3要素」の2回目です。前回、狙い通りの球を打つためには、まず「(1)クラブ軌道」を直さなくてはいけない、という話をしました。その次は「(2)フェース向き」と「(3)打点」を同時に直すべきです。ただ、両方を合わせると情報量が多くなってしまいます。そこで、まず今回はフェース向きについて説明します。 (取材・構成 堤誠人)

アマは滞空時間短い

 まず、前提として覚えておいてほしいことがあります。それは、上下左右の打ち出しに関する各要素の影響力の割合です。クラブによっても違いますが、クラブ軌道が15%くらいなのに対し、フェース向きは70~80%も影響します。つまり、右へ打ち出るのもテンプラみたいに上へ打ち出るのも、フェース向きで決まるということです。
 もちろん、これはフェースの「枠内」に当たることが前提です。なので、シャンクやトップはフェースの向きが悪いからではなく、打点が悪いことが原因です。
 多くのアマチュアはパワーがないので、フェース向きが目標に正しく向いていれば、大きく曲がることはありません。なぜなら、プロとアマでは滞空時間が違うからです。300ヤード以上も飛ばすような男子プロの滞空時間は約7秒で、アマチュアは5~5・5秒くらいです。飛んでいる間に曲がり続けたとしても滞空時間が短いので、真っすぐに打ち出せばOBになるリスクは格段に下がります。だから、フェースの向きをマスターする必要があるのです。

短期的な成功なら…

 自分の球道が高すぎると思った時は、フェース向きが上向きに当たっています。この場合、ハンドファーストで当たっていないのではないか、ということが想像されます。
 右へ打ち出した場合は、フェース向きが右向きに当たっています。なぜそうなるのかを考え、握りが緩いと思えば、対処法としてフックグリップで握ることなどが考えられます。
 もし、「明日がゴルフなのに右ばかり行ってしまう」という場合は、短期的な解決法として結果が出るまでフェースをかぶせることなどが挙げられます。短期的な成功を狙うのであれば、ありとあらゆる手段がOKという考えもあります。
 同じように、チーピンが止まらないという場合は、フェース向きが左を向いている場合がほとんどです。この場合は、フェースを開くことが対処法の一つです。
 また、ウッド系やユーティリティーのクラブはフェース面に丸みがあるので、あまりに根元に近い部分に当たるとフェースは左を向いていることになります。先に近いところは右を向いています。このことは打点の要素にかかわるので、詳しい説明は避けます。

予測の力身に付ける

 以上のことから、ボールを打ち出した方向によって自分のフェース向きが予測できるようになります。練習場で打った時でも、打球の方向で自分のフェースが上下左右のどこを向いているのかが分かる力を身に付けることが大切です。
 今回の説明で、フェース向きが打ち出しにとってとても重要だということが分かったと思います。ある程度は狙っている方向へ打ち出せているのであれば、フェース向きは基本的に真っすぐだといえます。ぜひ、この点に注意しながら練習に取り組んでください。

【井上透のひとりごと】

東京五輪成功のカギ…トップ選手の参加にかかっている

 先週に続いて東京五輪の話を。五輪に対する考えは選手によって違いがあります。賞金の出ない五輪出場への意義を感じないプロゴルファーもいます。4年前のリオデジャネイロ五輪では、ランキング上位選手の出場辞退が相次ぎました。もちろん、ブラジルでジカ熱が流行していたことや過密日程が一因になったと思いますが、本音は定かではありません。
 東京五輪のゴルフはトップ選手が勢ぞろいして、ゴルフに興味のない人にも「ゴルフって、こんなに面白いんだ」と知ってもらうことに意味があります。
 ただ、五輪では他の競技がライバルになります。男子最終日の8月2日には、陸上男子100メートルやテニスの男子シングルス決勝が行われます。女子最終日の同8日にも、野球と男子サッカーの決勝や女子マラソンがあります。
 もちろん、松山プロや渋野プロがメダル争いを演じたり、仮に金メダル獲得ということになったりすればメディアにも大きく取り扱ってもらえます。しかし、他競技で金メダルということになれば、その扱いもかなり変わってくるでしょう。
 五輪が華やかで意義深いものになるためには、かなりの選手が勢ぞろいして、日本人の注目する選手が上位を争うことが条件になります。まずは世界のトップ選手が辞退せず、東京五輪へ向かってきてくれるのか。参加する選手のモチベーションによって、大会の意義などは変わってくると思います。
 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。
 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739
(毎週木曜日の紙面に掲載)

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