自分のレベルに合ったコースマネジメントをしましょう
2020年3月19日 02時00分
今回はコースマネジメントについて説明します。スコアメークのためには、コースをいかに戦略的に攻めるかが大切です。もちろん、その人のレベルによってコースの攻め方は変わってきます。みなさんも自分に合ったコースマネジメントを組み立てて、スコアを伸ばしましょう。
(取材・構成 堤誠人)
最初に「T」を考える
コースマネジメントを組み立てる上での大原則は、グリーンやピンから逆算して考えることです。
例えば、パー4のホールを思い浮かべてください。プロゴルファーや上級者であれば、まずグリーン上のカップに対して上りの真っすぐのラインを見つけます。それは「ゼロライン」と呼ばれています。
上りにしろ下りにしろ、真っすぐのラインはカップに入る確率が高くなります。特に上りの真っすぐは、最もカップインの確率が高くなります。そのため、多くのプロはヤーデージブックのグリーンに「T」の文字で、どの方向がゼロラインなのかを書いています。
まず、ゼロラインへ乗せるためには第2打をどこから打てば良いのか。さらには、その第2打を打つ場所へ運ぶにはティーショットをどのように打てば良いのか。これが上級者のコースマネジメントです。
では、狙っても打てないアマチュアゴルファーは、どのようなコースマネジメントを組み立てれば良いのでしょうか。それは、絶対に苦手な所へ打たないことです。「バンカーに入れたらおしまい」という人は、徹底してバンカーに行かない距離を打つのです。
飛距離が伸びても…
よくジュニアゴルファーで、飛距離が伸びたからスコアが出なくなったという子がいます。グリーンの手前にバンカーがあるパー4のホールを例に取りましょう。ティーショットは150ヤードしか飛びません。2打目はグリーンに届かないので120ヤードくらい飛ばし、3打目でピンの近くに乗せます。こうすれば、かなりの確率でパーかボギーです。トータルでは80くらいで回ることができます。
ところが、飛距離が伸びると第2打でグリーンを狙います。そして、失敗すればバンカーへ入ってしまいます。あまり練習をしていないバンカーで大たたきをすると、90台のスコアになってしまいます。飛距離が伸びれば、比例してスコアが良くなるというわけではないのです。
フェアウエーなら◎
まずは、苦手をなくすことが大切です。もし苦手がある人は、そこを避けることです。例えば、100を切るためのコースマネジメントとしては、最悪の状況を設定し、最悪以外ならOKと考えることが挙げられます。
ティーショットで左がOB、右がOBでなければ右へ打ちます。これが、最悪を避けるコースマネジメントです。最高なのはフェアウエーへ打つことです。それでも、最悪だけは絶対に避けるという考えができれば100は切れます。
もちろん、プロのコースマネジメントは違います。バーディーチャンスへつけるためには、フェアウエーのどこへ持って行くか。では、そのためにはどうすればいいのか…。これが、プロが考えているアンダーパーを目指すためのコースマネジメントです。
レベルに応じてコースマネジメントは変わります。まずは自分のレベルを把握し、自分に合ったコースマネジメントを選択してください。
【井上透のひとりごと】
「世界難」を乗り越えた時スポーツのポジティブな光が必要になる
新型コロナウイルスの影響でゴルフの米ツアーは男女とも中止が相次ぎ、メジャー大会もマスターズなどが延期されました。国内ツアーも女子は開幕から5試合連続で中止となり、男子は下部ツアーの開幕戦がなくなりました。
米国では、世界最大級のプロスポーツであるNBAがシーズンを中断しました。大リーグも開幕を延期するなど、スポーツの持つ明るい光が消えていくようです。
ニュースを見れば、いや応なく「新型コロナウイルスに何人がかかりました」「入国制限を始めました」などとネガティブな情報が飛び込んできます。今は国難を飛び越え、地球規模の「世界難」だと思っています。
まずは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えることが最優先です。しかし、この「世界難」を乗り越えた時、人々にはスポーツの持つポジティブな光が必ず必要になります。
その中でも、アウトドアの競技で選手の接触が少ないプロゴルフの役割は小さくありません。ゴルフのツアーが、暗くなった世界に明るい光をもたらすことを期待しています。
<井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。
取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739
(毎週木曜日の紙面に掲載)
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