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活動ひたむき、輝く功績 秋の叙勲

2020年11月3日 05時00分 (11月3日 17時20分更新)
 秋の叙勲が三日付で発表され、県内に住む七十四人が受章した。社会のさまざまな分野で顕著な功績を挙げた人を対象とする旭日章が二十四人、公的な業務に長年従事してきた人に贈られる瑞宝章が五十人だった。そのうち五人の取り組みや功績を紹介する。

◆瑞宝中綬章 石井仁さん 材料強度の研究地道に


石井仁さん 78歳 浜松市中区


 自身の母校・静岡大工学部で教壇に立ち、後進の育成と材料強度の研究に三十六年余りをささげた。「機器の可動部材はなぜ壊れやすいのか」という金属疲労の問題は輸送機器などの設計にも必要なことから、原因解明を目指す基礎研究を行った。
 開発に携わった超音波疲労試験法は国内メーカーでも活用され、無段変速機用材料の開発に必要な基礎データを提供した。
 教員生活では、約三百五十人を技術者として輩出。工学部長や国立大学法人化後初の副学長を歴任した。昨今は短期間で成果を求める風潮があるが、「研究は時間を要し、地道な努力が鍵となる」。退官後に始めたピアノ演奏を楽しむ。浜松市中区。 (久下聡美)

◆旭日小綬章 斎藤松太郎さん 茶の安心・安全向き合う


斎藤松太郎さん 76歳 掛川市


 県や全国の茶商工業協同組合理事長、県茶業会議所副会頭、日本茶業中央会副会長などを歴任。「消費者あっての茶業。安心・安全を基本に、真面目に向き合ってきた」と振り返る。
 二〇一一年の東日本大震災では、福島第一原発事故の影響で茶の放射性セシウム問題に直面した。茶業者の先頭に立って関係団体と連携し、静岡茶ブランドの信頼回復に努めた。
 新型コロナウイルスにより、茶業界も新たな生活様式への転換期を迎えていると考える。「これまでにも多くの低迷期があったが、常に優秀な人材が育っている。『温故知新』の気持ちで、新たな時代が切り開かれていくと確信している」と前向きに語る。掛川市伊達方。 (夏目貴史)

◆旭日単光章 国本幸孝さん パイプ加工高い技術力


国本幸孝さん 73歳 浜松市東区


 今年六月まで、鉄やステンレスのパイプを加工して自動車部品を製造する国本工業の社長を務めた。「うちの技術はまねできない。受章は夢にも思わなかったが、評価してもらいうれしい」と語る。
 中学三年の時に父親が事故で亡くなり、高校卒業後に国本工業を継いだ。すぐにパイプ加工を導入し、オートバイ部品の生産を始めた。転機は二〇〇〇年ごろ。顧客が部品の製造拠点を海外に移したことから自動車部品にかじを切った。
 技術開発に取り組み、独自の極小曲げ工法はトヨタ自動車で当時副社長だった豊田章男氏の目に留まった。高い品質が認められ、今年二月に同社から品質管理優良賞が贈られた。浜松市東区。 (中田弦)

◆旭日単光章 鈴木亘さん 環境保全重要性訴える


鈴木亘さん 74歳 湖西市


 湖西市の清掃業「浜名環保」会長。父親の創業した会社で五十年間、ごみ収集やし尿運搬を引き受けた。県浄化槽協会の役員も長年務め、環境を支える業界のイメージ向上に尽くした。
 旧雄踏町(浜松市西区)出身。入社直後、新たに始まった湖西市での業務を任された。開業当時のスズキ湖西工場の清掃業務も引き受け、忙しい日々。「やりたがる人が少なく、人集めに苦労した」と振り返る。
 湖西に根差して事業を進める傍ら、環境保全の重要性を訴える啓発を県内各地で展開。就職希望者が増え、イメージ向上への手応えを感じている。「誰かがやらねばならない仕事。働く人に自信を持ってもらいたい」と力を込める。湖西市新所。 (鈴木太郎)

◆瑞宝単光章 大村俊男さん 伝統の竹細工70年以上


大村俊男さん 87歳 静岡市葵区


 曲線美が映える花生けや、深い茶色が味わい深い湯飲み受け…。どの作品も、竹の高級感が際立つ。
 江戸時代から続く竹細工職人一家の七代目。「竹がモノになる楽しみがある」。採ってきた竹をゆでて細く裂き、丸ヒゴに。編んだり、組んだり、土台に差し込んだり。完成するまで全て手作業だ。手伝いで始めた中学時代から、七十年以上伝統を守ってきた。
 刃物を握り続け、手の指は外側に曲がるほど。「竹をいじっていると長生きするのかな」と笑う。
 同業は五軒ほどに。それでも「竹をいじっていたい」と創作意欲は衰えない。受章に「ありきたりのことをやってきた。もったいない」と控えめに喜ぶ。静岡市葵区。 (保坂千裕)

◆旭日中綬章

佐原 徹朗 71 元静岡県議。湖西
森川  進 83 全国生活衛生同業組合中央会理事長。沼津

◆瑞宝中綬章

石井  仁 78 静岡大名誉教授。浜松
大霜 憲司 70 元東京高検事務局長。島田

◆旭日小綬章

渥美 泰一 70 元県議。浜松
臼井  進 70 元芝川町長。富士宮
加藤 治吉 70 元磐田市議。磐田
斎藤松太郎 76 元全国茶商工業協同組合連合会理事長。掛川
前嶋 貞一 76 元富士市議。富士

◆瑞宝小綬章

石垣 秀治 70 元静岡市消防司監。静岡
石津 勇夫 77 元県警本部交通部長。静岡
石塚 吉生 72 元水産総合研究センター遠洋水産研究所長。静岡
上杉 和寿 72 元陸自海田市駐屯地業務隊長。長泉
植田 勝男 78 元県立静岡がんセンター事業管理者・がんセンター局長。藤枝
江間 秀明 70 元公立高校長。島田
遠藤 一紀 79 元中部県行政センター所長。富士宮
河西 哲郎 70 元公立高校長。静岡
菊岡 幹人 70 元富士市消防正監。富士
栗原  進 70 元公立高校長。沼津
島田  徹 72 元空自教材整備隊司令。磐田
鈴木 利貞 71 元公立高校長。沼津
田代 俊司 72 元津家裁首席家裁調査官。掛川
山本  章 78 元県生活・文化部長。静岡

◆旭日双光章

石川 晃三 75 元浜松商工会議所副会頭。浜松
下村 勝彦 78 県相撲連盟会長。焼津
芹沢 徳治 71 元川根本町議。川根本
田之上康成 71 元磐田市議。磐田
坪井  厚 72 県栄養士会長。焼津
内藤 澄夫 71 元掛川市議。掛川
西原 和行 70 元県歯科医師会副会長。三島
野村 玲三 73 県生コンクリート工業組合理事長。伊東
保坂 益男 78 日本機械土工協会常務理事。藤枝
増田 玲司 74 元県電業協会長。静岡
松永 元良 72 元静岡市清水医師会長。静岡
森田嘉太郎 80 元県料理業生活衛生同業組合理事長。島田
吉村 哲志 77 元浜松市議。浜松

◆瑞宝双光章

有岡 聖子 73 保護司。静岡
岩見 智子 60 「愛厚すぎのきの里」生活支援主査。浜松
柏崎 順子 65 元聖隷沼津病院看護部長。沼津
榛葉 孝一 74 保護司。掛川
鈴木  稔 84 元学校医。浜松
高木 康治 70 元日本郵政公社職員。富士
田代 美奈 62 元天竜病院看護部長。静岡
田中 邦彦 72 元公立小校長。静岡
土屋 英次 70 元公立中校長。御殿場
徳増 長博 72 元公立小校長。浜松
中川  陽 72 元陸自富士学校特科部教育課戦術教官。御殿場
中嶋 克明 82 元三ケ日町収入役。浜松
中村 治二 85 元横浜公共職業安定所長。函南
長谷川 源 78 学校歯科医。浜松
原木 憲一 73 元公立中校長。藤枝
牧野 克昭 70 元熱海市消防団長。熱海
山崎 文男 71 元公立中校長。富士宮
山田  敏 71 元公立中校長。浜松

◆旭日単光章

国本 幸孝 73 国本工業会長。浜松
鈴木  覚 77 元鈴覚社長。浜松
鈴木  亘 74 元県浄化槽協会副理事長。湖西
坪井 英明 86 元静岡市駿河区中吉田自治会長。静岡

◆瑞宝単光章

宇佐美 昇 72 元富士市消防団分団長。富士
大村 俊男 87 駿河竹千筋細工製造業従事者。静岡
久保田好一 72 久保田塗装店会長。焼津
榊原  務 72 元静岡市消防団分団長。静岡
佐野 泰信 64 元富士宮市消防団長。富士宮
下出 義治 79 大彦工務店代表。静岡
鈴木 保男 66 元日本郵政公社職員。小山
高橋 保文 69 元伊東市消防団長。伊東
田中 義修 87 元警察庁技官。静岡
津田 富子 72 民生・児童委員。沼津
露無 雅子 71 元調停委員。静岡
徳田 正秋 71 元静岡市消防団分団長。静岡
浜野 健司 64 元島田市消防団長。島田
森川  真 70 元国立印刷局職員。静岡
山崎 正広 65 元空自第1航空団基地業務群業務隊。袋井
鷲山 英之 62 元法務教官。静岡

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