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奇術の変遷 タネ明かし 明治以降に焦点  

2020年11月2日 05時00分 (11月2日 09時53分更新)
長野主任らが発刊した「近代日本奇術文化史」(右)=福井市の県文書館で

長野主任らが発刊した「近代日本奇術文化史」(右)=福井市の県文書館で

 研究書の続編発刊 県文書館・長野主任ら

 県文書館(福井市)の長野栄俊主任ら県内外の奇術研究者三人が、「近代日本奇術文化史」(東京堂出版)を発刊した。三年前に発刊した「日本奇術文化史」(同)の続編で、日本の奇術(手品、マジック)の歴史を概観できる研究書だ。 (藤共生)
 長野主任は、県立こども歴史文化館(福井市)に勤務していた頃、福井市出身で日本近代奇術の祖とされる松旭斎天一(しょうきょくさいてんいち)を特集。これをきっかけに奇術の歴史を調べ始めた。
 新刊本は、奇術史料を収集している県外の研究者らと共に明治以降の奇術の歴史に焦点を当てて著した。調べてみると、近代日本の奇術師の活躍は世界的。一八六六(慶応二)年に日本で一般人の海外渡航が解禁された際、パスポート取得の第一号は隅田川浪五郎(すみだがわなみごろう)という奇術師だったという。浪五郎は欧州や米国に渡り、紙のチョウを扇であおぐ「胡蝶(こちょう)の舞」などの奇術が海外の新聞を通じて話題となった。
 松旭斎天一を新しい視点で論じた章や「奇術と戦争」の章など、テーマは多岐にわたる。新刊本はA5判六百五十五ページで二万二千円(税込み)。「日本奇術文化史」はA5判四百十四ページで一万三千二百円(同)。県立図書館などで閲覧できる。

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