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課題満載の日本の攻撃「家長がいたら全く違うサッカーになっていた」大迫も生かせる34歳【月刊ラモス】

2020年10月31日 11時30分

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川崎の家長昭博

川崎の家長昭博

  • 川崎の家長昭博
  • 久保建英

ゴール前の崩しに、家長は本当によくからむ


 日本代表に足りないのは家長昭博(34)=川崎=だ! カメルーンに0―0、コートジボワールに1―0と欧州遠征を1勝1分けで終えた森保ジャパン。月刊ラモスのラモス瑠偉編集長(63)は守備に関しては評価したが、攻撃に関しては辛口評価。今回の代表は欧州でプレーする選手だけで編成されたが「もしここに家長がいたら、全く違うサッカーになっていた」と持論を展開した。
◇  ◇  ◇
 かつてはアフリカ諸国と対戦すると、驚異的な身体能力に苦しめられ、苦戦を強いられてきた。いまの日本代表の戦いぶりを見ていると、時代は変わったなと思う。欧州でプレーする選手が格段に増え、いまでは欧州組だけで代表を編成することが可能になった。選ばれた選手にとって、アフリカの選手とマッチアップすることは日常である。
 これがW杯の本番、1発勝負なら話は違ってくるかもしれない。相手はベストメンバーではないし、コンディション、モチベーションの問題もあるが、それを差し引いてもこの2戦はどの選手も普通に対応していた。特にディフェンスに関しては、素晴らしいプレーが随所に見られた。
 酒井の対人プレーの強さは相変わらず光っていたし、冨安、吉田の対応も安定していた。フィジカルコンタクトが強くなったことに加え、経験値の高さ、駆け引きのうまさ、的確な予測とポジショニングなど、スピードやパワー以外の能力も高まっている。これぞジャパンスタイルの真骨頂だ。
 さらにいえば、森保ジャパンは酒井、冨安、吉田の3バックというオプションを手にした。森保監督は広島監督時代、3バックを軸に堅守速攻を武器にJ1を制した。植田を含めた強力DF陣は、大きな武器となるだろう。
 一方で、攻撃に関しては課題満載である。カメルーン戦はコンビネーションがばらばらで、連動性を生み出すことができなかった。大迫を軸にした攻撃が影をひそめ、それぞれの選手が個で勝負するばかりで、組織的な崩しが見られないままスコアレスドローに終わった。コートジボワールも終了間際に柴崎のFKを植田がダイビングヘッドで決めたが、全体的には低調。組織だった攻撃で崩したシーンは少なく、消化不良の内容だった。
 オレがオレがのわがままなプレーは必要だ。特にフィニッシュの部分では、少々強引でもシュートを打ちきる能力が求められる。しかし、それは最後の過程で、いかにしてボールを運び、崩すかという部分が今の日本代表にはかけている。緩急をつけたり、スペースを空けたり、ゲームをコントロールできる選手がいない。
 ふと思い浮かんだのが、家長の顔だ。彼は34歳だが、いまだに進化を続けている。フロンターレでは圧倒的な攻撃力をつかさどる攻撃の核として活躍している。
 右サイドを拠点に、ドリブル突破で崩す。彼のボールキープ力、ボールを失わないプレースタイルは、チーム全体に絶妙の間を生み出す。かと思えば、ダミーの動きで周囲の選手が走り込むスペースを生み出し、チャンスメークする。ゲームの流れを読み、コントロールする。自分を生かし、人も生かす。ゴール前の崩しに、家長は本当によくからんでいる。
 神戸のイニエスタに、名古屋のシャビエル、鹿島のレオシルバ。Jリーグでゲームをコントロールする能力が高いのは外国人選手だが、日本人では家長がピカイチだ。
 2年後、家長がどうなっているか、それは分からない。しかし、森保ジャパンで一度は見てみたい選手。トライする価値は十分にある。家長なら大迫を生かすし、大迫を生かすことで自分も生きるはず。この化学反応を見てみたい。
 コロナ禍で、今後も国内組が代表でプレーする機会は少ないだろうが、国内組の選手だけで代表を編成して五輪代表やJリーグ選抜と試合するとか、なんとかして機会をつくってほしいものだ。

ビリャレアルの久保起用、FC東京・長谷川監督と似ている


 ビリャレアルの久保建が欧州リーグのシワススポル戦でスタメン出場し、1ゴール2アシストの活躍。29日のカラバフ戦にも先発し、公式戦3戦連続先発となった。彼は途中出場ではなかなか持ち味が出せないタイプだ。スタメンで最低でも60、70分、ゲームの流れの中で、能力を発揮する。
 エメリ監督の起用法を見ていると、特別扱いしないという点で、FC東京時代の長谷川監督と共通した考え方を持っているのではと感じる。長谷川監督もそうだったが、エメリ監督も守備の部分を求めている。ポジションは実力でつかみ取るもの。スポンサーやマスコミの力で取るものではない。久保建の才能を認め、高いレベルのものを求めているのではないか。
 チャンスを生かした久保はリーグ戦でもスタメン起用された。このカディス戦では活躍できず、途中交代となったが、少しずつの積み重ねが大事なのだ。経験と実績を重ねることで、自信が生まれる。その経験と自信が、日本代表でも必ず生きるはずだ。久保建はリーガで確実に成長している。
(元日本代表)

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