京アニ犠牲、大村さん作品展 夢の軌跡を掛川母校に 

2020年10月31日 05時00分 (10月31日 05時03分更新)
大村勇貴さんの作品を手にする(左から)安川涼さん、岡本丈瑠さんと、杉山直康教諭=30日、掛川市の掛川工業高校で

大村勇貴さんの作品を手にする(左から)安川涼さん、岡本丈瑠さんと、杉山直康教諭=30日、掛川市の掛川工業高校で

  • 大村勇貴さんの作品を手にする(左から)安川涼さん、岡本丈瑠さんと、杉山直康教諭=30日、掛川市の掛川工業高校で
 二〇一九年七月の京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった菊川市出身大村勇貴さん=当時(23)=の母校、掛川工業高校(掛川市)で三十日に開かれた文化祭に、大村さんが手掛けたアニメ作品などが展示された。同校で見つかった高校時代のポスターや読書感想文もあり、夢に向かって歩んだ大村さんの軌跡を後輩たちに伝えた。
 展示されているのは、女子高生アンドロイドを描いた文化祭のポスターやパンフレット、クラスメートの似顔絵を並べたTシャツなど在学中に描いた作品。人気アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」の小説版を読んで家族への感謝、将来の夢をつづった読書感想文もある。
 進学先の常葉大造形学部(静岡市)で創作した絵本「うーちゃんのまつざき」や卒業作品の原画、今年の夏に菊川市内の水田で地元住民らが大村さんの絵を再現した田んぼアート制作の様子なども写真などで紹介した。
 大村さんの在校時を知る杉山直康教諭らの呼び掛けで、後輩である図書委員会の生徒たちが、遺志を伝えようと企画した。
 「すべての作品に見る人を飽きさせない工夫がある。こんな先輩がいたことを多くの生徒に知ってほしかった」と委員長の安川涼さん(三年)。手分けして校内の書庫からゆかりの資料を探したり、家族や関係者から作品を寄せてもらったりして教室内に飾り付けた。展示のテーマは「夢に向かって」にした。
 自分も絵を描くことが好きだという安川さんは「もっと作品を作り続けてほしかった」と早過ぎた先輩の死を悔やんだ。大村さんと同じ電子機械科で学ぶ副委員長の岡本丈瑠さん(同)は「工業を学びながら大好きなアニメへの努力を続け、夢をかなえたことを尊敬する」と話した。
 今年は、新型コロナウイルスの感染防止で文化祭の一般公開は見合わせ、生徒のみが見学した。
 杉山教諭は「夢を追い続けた大村さんの思いを風化させてはいけない。これからもさまざまな形で生徒や地域に伝え続けたい」と話した。 (夏目貴史)

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